★春の扉★

□酒は飲んでも飲まれるな
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こんな奴だっけ…上條。


酒は飲んでも飲まれるな


夕方17時。俺にとって大きな選択ミスをした時間だ。

「はぁ!?飲み会!?」
「そ。上條も来いよ〜♪」
はぁ。とため息をついて上條は本棚に持っていた本をしまいながら、こちらを見ず話を続けている。

「俺は遠慮しときますよ。まだ、まとめ終えてない資料もありますし。…宮城教授も、飲み会なんか行ってないで研究室の片付けして下さい。」
「え〜。だってぇ、卒論生との飲み会に教授が行かないなんて有り得んだろ〜。」
「だって。じゃないですよ!!いいですか?教授…」

ヤバい。鬼の上條説教モードに入ってしまった。どうにかして切り抜けなくては……

「あ〜。もしかして、早く帰って、あの彼に会いたい。とか?」

……………………………。
「へ、へ、へ、変な事言わないで下さいよ!!全然全く断じて、そんなことありませんよ!!あ、あり得ない!!い、行きますよ!!行きゃあいいんでしょう!その代わり割り勘だろうが俺、飲みまくってやりますから。」

ボンッという幻聴が聞こえるほど顔を赤くして言い訳しても無駄なのに。

「お〜、飲め飲め!!!今日は俺がもってやるよ♪」

上條の絡み酒の大変さを卒論生達にも味あわせてやろう。
そんな考えが、そもそもの間違えだったのだ。



続きます★
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