Novel
□マーモンの代わり 2
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「…ミーの部屋って、ベルフェゴールセンパイの隣ですかー?嫌ですー」
「…うるせー、スクが決めたんだろ?あと、ベルフェゴールセンパイって長いから、ベルセンパイでいいよ」
そういって、二人はフランの部屋に入った。
「う、広いですー」
「そう?王子にとっては少し狭いけどね♪」
輝いた目で部屋を見渡すフラン。翡翠の目がより美しく見えた。
「あー、少しカーペットとカーテンくすんでるな、かえてもらおっと♪」
「えー、このままでいいですよー、もったいないしー」
「いいの、お前の好きなようにしていいから、フラン」
「…ありがとうございますー!」
ドキッ
フランが少し笑顔でベルの方を見たとき、ベルの胸が疼いた。
(な、何だこの気持ちは?)
ベルは思わず、フランから目を逸らした。前髪が長いのでフランにはわからないが…
「あのー、ベルセンパイ…ミー少し眠くなっ…ちゃい…ま、し」
そのまま、ベッドに倒れ込んでしまった。
「お、おぃ?…寝ちゃったし…」
ベッドに横たわっているフランをまじまじと見つめる。そおっと翡翠の髪に触れてみる。
(…さらさら、気持ちいいー♪)
チュッ
ベルは無意識にフランの頬にキスしていた。
(あれ、オレ今な、何を…)
自分で自分が信じられなかったが、
「……セ、ンパ、イ?」
頬が少し赤く染まったフランは薄目を開けていた。
「…!起きてたのかよ…?」
「いえ、今、……///」
どうやらベルのキスで起きたようだ。
「…センパイ、顔…//」
「お、お前こそ…//」
二人の頬はみるみるうちに赤く染まっていく。
「オレ、どうかしてるな、男のお前に、キスしちゃってさ」
「…でも、ミーは、センパイに優しくされるのは嫌いじゃないですー」
(嫌いじゃない…
あぁ、そうかこの気持ちは)
「オレ、フランが好き」
恋 だったんだ。
「!…ミ、ミーは…んぅ…!!」
フランの口を自分の唇で塞いだ。
「オレのことは、少しずつ好きになってくれればいいから、な?」
「…センパイ///」
フランは抱き着いてきた。ベルは翡翠の髪を撫でてやる。
「よろしく、フラン」
そう言って、ベルはフランと唇を重ねた。
(ねぇ、マーモン、オレ、今幸せだよ…//)
→あとがき&謝罪