BOOK2
□ある日の雑談
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少ないんだろうな、とは思っていた。
しかし、まさか自分がヴァリアー唯一の女子隊員だったとは。
この採択がなかったら、私は腐りきっていただろう。
「配属先がルッスーリア様の隊で、私は幸せです!」
「あらー嬉しいこと言ってくれるじゃなあい?」
「本心ですから!」
「ワタシとしては自分の部下は若くて可愛い男の子で固めたかったりしたんだけど、」
「す、すみません・・・」
「今となってはあなたがいてよかったと思ってるわ」
「ほッ本当ですか??!」
「もちろんよお。そうじゃなかったら、あなたを補佐に任命したりしないもの」
「ルッスーリアさまああ・・・」
「あ、それ以上近寄らないでね。ワタシ、女の子に興味ないから☆」
「冷たい!けど好きです!」
「相変わらず気持ちの悪い子ねえ。外見は言うことないし、仕事も速いのに可哀想」
「あ、有難きおとこばッ」
「言えてないわよ・・・・・・・・・あ!」
「どうなされました?」
「あなた、スクアーロからの食事の誘いを断ったんですって?」
「え・・・ええ。その日は、ルッスーリア様から頂いた仕事があったので・・・。あの、お誘いは嬉しかったのですが・・・」
「嬉しかったの?!」
「え?!(なんだこの驚かれようは)ま、まあ・・・スクアーロ様や幹部のみなさんは、私からしてみたら雲の上の方々ですから・・・」
「なあんだ、つまらない」
「も!もちろん一番はルッス―リア様ですよッ?!!」
「どうでもいいのよ今それは」
「(どうでもいいって言われた・・・本当の事なのに・・・)」
「ベルちゃんにも気に入られちゃってるし・・・。簡単に殺されちゃダメよ?」
「・・・はい、と言いたいのは山々なのですが。私には防ぎようが・・・」
「あなた、男の子には出来ない気配りが出来るからわりと重宝してるのよねえ」
「重宝ッですかッ」
「まあ・・・そうねえ。お菓子のチョイスとか、紅茶を入れるのも上手だし。あなたのお花のセンスも好きよ」
「・・・死ぬ・・・幸せすぎて死ぬ・・・・・・」
「(小さい声で何か言ってるわ・・・本当に気持ち悪いわねこの子)」
「私・・・これからもルッスーリア様に尽くします!!!!!」
「ほどほどに頑張りなさい?仕事もいいけど恋愛も頑張りなさいよ」
「それは・・・はい、まあ、余裕があれば・・・」
「一気に無表情になるのやめなさいよ怖いわね」
「だって、今はルッスーリア様の手となり足となることが私の幸せなんですもん・・・」
「(スクアーロが聞いたら落ち込みそうな台詞)」
「もう少し自分に自信がついたら」
「(見た目は言うことなしなのに)」
「その、恋愛とかも、してみようかなあ、なんて」
「(お馬鹿さんだけど、そこがチャームポイントでもあるし)」
「あ!でもお仕事優先なのには変わりありませんから!・・・って、聞いてらっしゃいますか?!」
「全然聞いてなかったわ」
「ええッ?!!!」
「ごめんなさいねえ」
「・・・・・・要約しますとですね、」
「?」
「これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。です。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ルッスーリア様?」
「スクアーロなんかにあげるにしては、もったいない子だわ」
「どういう意味でしょうか?」
「あなたの淹れた紅茶が飲みたいの。これからも、ね?」
「・・・っ!ルッスーリアさまああああああ!!!!」
「ぎゃあやだ!!鼻水つけないで頂戴!!」
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ルッスーリアを崇めている女の子。