ROMANCE OF AUTOMATIC

□三話
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「イテテテテ・・・どこだここ?」

ティオは体の痛みに文句を言う。

「御免なさい。とっさにワープしたからどこに来たかわからないわ」

ベルディは自分の服に付いた汚れを払いなら立ち上がる。


敵の奇襲にあったティオ達は間一髪のところでベルディのワープの呪文によって逃げる事が出来た。

そして今、どこにいるか今一わからない。


「取り合えず皆いるから良かった!ぁ!!私フェブリュア・ロールックって言います!!」

ぴょこりとフェブリュアが顔を出し硬い表情をしたベルディを笑顔で覗き込む。


じっ・・・・・

ベルディはそんなフェブリュアを睨み付けた。

「・・・・・」

いきなり随分恐い顔で睨まれたフェブリュアは一瞬身じろぐ。



しばしの沈黙が流れた後突然


「ぁあ・・・フェブリュア。あなたなんて可愛いの・・・ロリロリ・・・」

突然ベルディは恐い顔から何とも気の抜けた幸せそうな表情でフェブリュアを抱きしめた。

突然の出来事に驚くフェブリュアだったがふとある事に気が付いた。

ベルディに抱きしめられ、自分の頬に当たるやわらかい2つのもの・・・・

ぽよん・・・・・・・・・・「!?」



「は・・・はぅぁ〜!!メロパイ・・・・」

フェブリュアは満面の笑みでベルディの胸に抱きついた。


ロリ娘好きのベルディにメロンパイ(メロンとは大きな胸の代名詞)が好きなフェブリュア

何とも気が合う2人だ。

そんな暴走気味な2人を見て

「何だあいつ等」「・・・・」

複雑な表情をする男2人がいた。






・・・・ッザ・・・・


「お前達!!何者だ!?」


突然の見知らぬ男の登場で暴走気味の女2人は我に返る。

「誰だてめー!!やんのか?」

何とも不良の様に突っかかるティオにその人物は

「やはり曲者か!!!」

本気な表情でティオに向かって行く。

ティオも構えるがなぜかその男の一振りに風が纏い、簡単に吹き飛ばされてしまった。

「ぐぁっ!!!」

吹き飛んで行くティオを目の当たりにし、ベルディは慌てて立ちはだかる。

「まっ待って!!」

「ここは我が民の大切な村。よそ者は俺が責任を持って排除する!!」

相当怒っているらしくその男はベルディにも構えた。

「ちっ違うわ!!私達は迷っただけなの!!・・・いきなり突っかかったのは謝るわ」

ベルディの謝罪に男はようやく力を抜いた。


お互いに冷静になったのを確認してベルディは言った。

「こちらはペルレ王国のティオ王子よ」

大国の王子がいると言う事で少しでも男の無礼と信頼を持たそうとした


「何だと!?ペルレとシュタインの所為でこの村が苦しんでいるのをお前達は知っているのか!!」

だが男は逆に怒り出した。

「お前達の戦争に巻き込まれこの村は大変な思いをした!!それをわかっているのか!!」

男のあまりの怒り様に困った顔でフェブリュアは思わずシェイルを見上げた。

「ちょっと待て・・・・ここは一体・・・」

シェイルは男を制するついでにふと気になった事を聞いてみた。

見覚えの全く無いこの場所を・・・


「ペルレとシュタイン両国に挟まれるソメイ村だ」

男は不機嫌に応えた。誰も知らない村だった。

なるほどペルレとシュタインに挟まれるが故に戦火をあびたと言う事か。

「そう・・・少し良いかしら」

ベルディは冷静にシュタインがティオを攫った事、両国の戦争が近いかもしれない事などを簡単に話す。

「ここにしばらく匿って貰えないかしら?私達は戦争を止めたいの」

頼み込む様に話すベルディに男はようやく黙った。

しばらく驚いていたがやがて

「―――わかった。戦争を望まない者同士しょうがないな・・・だが、何か可笑しな行動を起こせば排除する」

相変わらず男は手厳しかったが王子のティオを守るには充分だった。










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