□milk tea
1ページ/3ページ

「翼様、紅茶がはいりましたよ」

今夜はちょっと寒いから、藍月に紅茶を入れてもらった。
受け取った紅茶からは甘い香りが漂う。

「これは・・・ミルクティーか?」

「はい。翼様、甘いものお好きでしょう?
調度良いかと思いまして」

甘い香りはやはり落ち着ける。
だが一瞬おかしな香りがした。
まぁ気のせいだろう、思ってカップに口をつけた。

「あぁ・・・美味い。ありがとうな」

そういって笑顔を見せた。

「っ、いえ、お口にあって幸いですよ」

そういって藍月はミルクティーをユウト達にも持っていった。
一瞬顔が赤かった気がするが・・・熱でもあるのかな・・・・。
そうだったらどうにかしてやらねぇと、と考えながら再度カップに口をつける。
・・・うん、やっぱり美味いな─・・・








「・・・様・・っ・・・さ様・・・翼様?」

「っ!!・・・あぁ・・藍月か」

いつの間にか静かになってる。
ユウト達は寝たのだろうか。
それにしても眠い・・・し少しダルいな・・・。
熱でもあるのだろうか。

「翼様、どうかなされましたか?」

「少しばかり体調が良くないみたいで─・・・」

あ、ヤバイ。
倒れる・・・。

「っと・・・大丈夫ですか?」

「あぁ・・ありがとぅ・・・?」

何が起こったのかわからない。
頭がぼやける。
暑い。

「っ・・・・・」

chu・・・

と小さくリップ音がした。

「なっ・・・な、何を・・・っ」

顔が暑い。
藍月も・・・赤い・・・?

「そんな顔しないでくださいよ、理性が保てなくなりますから」

「んなこといわれ・・て・・・・も・・・」

「っぶねぇ・・・」

また助けられて・・・・。

「ぁりが・・と・・・な・・・」

そこで視界が真っ暗になった。


「クス・・・可愛いですね、翼様は。
この程度のお酒でダウンなんて」

翼を抱きかかえながらそう呟く藍月。
またやってみようか、と考えながらベッドへ向かう。
そうとは知らない翼は藍月の腕の中でスヤスヤ寝ている。

「・・ぃ・・き・・・・・き・・だ・・」

「・・・ホント、可愛いですね」

藍月が零した頬笑みは、他の誰かに見せるようなものではない、優しい微笑みだった。








Next→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ