捧
□milk tea
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「翼様、紅茶がはいりましたよ」
今夜はちょっと寒いから、藍月に紅茶を入れてもらった。
受け取った紅茶からは甘い香りが漂う。
「これは・・・ミルクティーか?」
「はい。翼様、甘いものお好きでしょう?
調度良いかと思いまして」
甘い香りはやはり落ち着ける。
だが一瞬おかしな香りがした。
まぁ気のせいだろう、思ってカップに口をつけた。
「あぁ・・・美味い。ありがとうな」
そういって笑顔を見せた。
「っ、いえ、お口にあって幸いですよ」
そういって藍月はミルクティーをユウト達にも持っていった。
一瞬顔が赤かった気がするが・・・熱でもあるのかな・・・・。
そうだったらどうにかしてやらねぇと、と考えながら再度カップに口をつける。
・・・うん、やっぱり美味いな─・・・
「・・・様・・っ・・・さ様・・・翼様?」
「っ!!・・・あぁ・・藍月か」
いつの間にか静かになってる。
ユウト達は寝たのだろうか。
それにしても眠い・・・し少しダルいな・・・。
熱でもあるのだろうか。
「翼様、どうかなされましたか?」
「少しばかり体調が良くないみたいで─・・・」
あ、ヤバイ。
倒れる・・・。
「っと・・・大丈夫ですか?」
「あぁ・・ありがとぅ・・・?」
何が起こったのかわからない。
頭がぼやける。
暑い。
「っ・・・・・」
chu・・・
と小さくリップ音がした。
「なっ・・・な、何を・・・っ」
顔が暑い。
藍月も・・・赤い・・・?
「そんな顔しないでくださいよ、理性が保てなくなりますから」
「んなこといわれ・・て・・・・も・・・」
「っぶねぇ・・・」
また助けられて・・・・。
「ぁりが・・と・・・な・・・」
そこで視界が真っ暗になった。
「クス・・・可愛いですね、翼様は。
この程度のお酒でダウンなんて」
翼を抱きかかえながらそう呟く藍月。
またやってみようか、と考えながらベッドへ向かう。
そうとは知らない翼は藍月の腕の中でスヤスヤ寝ている。
「・・ぃ・・き・・・・・き・・だ・・」
「・・・ホント、可愛いですね」
藍月が零した頬笑みは、他の誰かに見せるようなものではない、優しい微笑みだった。
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