◇Main◇

□Let's! ‐SUIKAWARI‐
2ページ/4ページ









いきなり、独眼竜の旦那から手紙が届いた。


これはかなり珍しいことだ。


しかも真田の旦那宛てだったから嫌な予感がした。


かと言って手紙の中を勝手に見るわけにもいかない。


内容が気になったが、旦那に渡した。


「うぬう…これは……。…佐助!今すぐ馬の用意をせよ!」


「独眼竜のとこへ行くの?」


「うむ!」


「…何て書いてあったの?」


そう尋ねると、旦那は快く手紙を見せてくれた。






「………………」



まず最初に、アホかと思った。



手紙の内容を要約すると、こんな感じだ。




“今から俺の城でスイカ割りをする!あんたも参加したきゃあ、棒を持って来い!Come on!”





戦う、とかじゃないのかよ…。


しかも何この文面。


いかにも、スイカ割りをしようとしたら棒が無いことに気付いて、慌てて真田の旦那に用意させようとしているだけじゃん…。


てゆうか、スイカ割りって…。



やれやれ…右目の旦那も大変だ。




「佐助!何をしておる!早く行くぞ!」


「え、俺様も行くの?」


「当然!貴様は誰に仕えておるのだ!」


「はいはい」


いつになく張り切ってるな…旦那は。


こんなふざけたバカ丸出しの手紙なのに。


「政宗殿からこのような文を頂くのは、初めてでござる。とすればいつもより気合いが入るのは当たり前だ」


「いや、普段通りでお願いします。むしろ冷めてください。スイカ悪くなっちゃうから」


「…某は遊びに行くわけではないのだぞ。スイカ割りを通じて、政宗殿の立ち振舞いや直感力、剣さばきなどを間近で拝見できるチャンスだと考えている」



へぇ…この人にしちゃ真面目じゃないの…と少し感心した時。



旦那がポツリと呟いた。




「うぬう…スイカ割りとは…某もやってみたい…」




「…………」






…うん、今本音が聞こえてきた気がしたけど、気にしない!!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ