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□こんなクラスです。
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「佐助!朝だぞ!起きろ!!」


「んー…?」


旦那の手に揺り起こされ頭が覚醒する俺様。時計を見ると、ただ今の時刻七時二十分。

「あ…旦那。おはよ…」

へへ。

朝一番に見たのが旦那の顔だなんて、ラッキー。



元から茶色い髪の毛に、笑うと女の子みたいに可愛い顔立ち。

しかも今どき珍しいくらいの純情。

それに加えて熱い魂を持ったこの男こそが、


俺様の恋人。真田幸村。



「うむ、おはよう佐助」



昨日は旦那の家に泊まった。

けどそれは新作ゲームが出たから一緒にやった、というだけで、他には何も無かった。

まあ…俺様は意識してたけど……相手がこの旦那じゃあね。


でもさ。これでもさ。


付き合ってるんだから、少し位はイチャイチャしたいじゃん?


「佐助!早く起きぬと朝ご飯が冷めてしまうぞ!俺はお前を待ってまだ食べてないんだからな!」

「え…そうなの?嬉しいな…」


ここでイチャつきターイム。



「じゃあさ…旦那…俺様起きるから…朝のチューして」




さて…旦那はどう出るか?


「なっ…!?」


まあ案の定、顔を赤く染めた。


「あ…朝っぱらから何を言っておるのだ佐助!」

「えー?これくらい普通じゃん。恋人同士なんだからさ」

「…!」

“恋人同士”という単語に旦那が反応した。

「こ…恋人同士では…普通なのか…?」

お、食いついてきたね。

「そうだよ。…ね、だから旦那」

グイッと旦那の腕を引っ張った。


「キスしてよ」


お互いの息がかかる距離。

「っ…//////」

ますます顔を赤くする可愛い旦那。


「旦那…早く…」

「さ…佐助…!俺は…!」

「…焦らさないでよ…」

「…わ…分かった!分かったから!」


“目をつぶれ”と指示をされ、大人しく従う俺様。


「…………」


少し間があってから、旦那の唇が軽く俺様の唇にくっついた。


「…さあ、起きろ!!俺は制服に着替えてくる!!」


バタバタと逃げるように部屋から出ていった恋人。


「はいはーい」


やれやれ…。

キス一つするのにこんなに苦労するんじゃな…。




「…まあ、旦那らしいけど」





ニヤけそうになるのを堪えながら俺様も学校へ行く支度を始めた。
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