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□真夜中の秘め事
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もうそろそろ寝ようかな、という真夜中。

俺様の部屋の前に人影が立った。


「佐助…」


愛しい愛しい恋人の声。

「…旦那?」

いつもは俺様から旦那の部屋に行って、ヤる時はヤってそのまま寝る。

だから旦那が俺様の部屋に来ることは滅多にない。

珍しいな…と思いつつ、そういえば最近旦那を抱いてないな、とも思った。


カラリと襖を開けると、


「あ…佐助」


風呂上がりなのか、顔を赤くした旦那がモジモジしながら立っていた。


「珍しいね〜。何の用か知らないけど、まあ入って入って。お茶でも入れようか?」


ああでも、寝る前にお茶は良くないかな?などと喋っていると、

突然旦那が抱きついてきた。



「……旦那?」

「茶などはいらぬ…ただ…」



何かを言いたげに俺様を見る旦那。

「……ぁ」

俺様は、その潤んだ瞳で全てを悟った。






成る程ね…。




随分ご無沙汰だから、我慢できなくなっちゃったのか…






「旦那」


そっと頬に触れると、ピクリと体を震わせた。


「さ…佐助!…すまぬが某…」

「ん?何?」


言いたいことは分かっているが、どうしても旦那の口から聞きたくて、わざと知らないフリをする。

すると旦那は、ますます顔を赤くした。


「あ…えっ…と…最近業務が忙しく…しばらく佐助と会っていなかった…」

「そうだね。それで?」

旦那の髪の毛の匂いを嗅いだ。

やはり風呂上がりだったらしく、いい香りがした。

「だ…だから…つまりその…」

「何?」

顔がニヤけないよう気をつけながら、旦那の目を見つめる。

「某は…佐…佐助に…」

「うん」

「…っ!」

そこで羞恥の限界が来たのか、旦那は顔から湯気が出る程赤くなった。



うわ…


可愛すぎでしょ…。



すると俺様の胸に思い切り飛び込んだ。

「佐助…!頼むからこれ以上言わせないでくれ!は、恥ずかしい…」



あーもう。


俺様の理性壊しちまうつもり?


どんだけ可愛いのあんた。


…しょうがないなぁ。


その可愛さに免じてあげる。
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