紅眼の少女

□第三章
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「――で、どっちにつくんだ?政宗様か、猿飛の武田軍か…」

『…私は――』





そう言いかけると、皆さんが固唾を飲んで、私の返事を待っている。

そして、私は正しく座って、





『私は、政宗様の軍につきたいと思います』





そう言いながら、政宗様に片膝を立て、頭を下げて忠誠を誓う格好をする。





「「「!!?」」」





その行為に三人共、驚いた様子だった。私はそんな様子を少しばかり不思議に思いながら次の話に進む。





『図々しいかもしれませんが、お願いします。助けて頂いたご恩もございますし…。しかし、片倉殿が私を信用していないのは重々承知しております。
…ならば、ここで私の覚悟を試して下さい。私はそれを忠実にこなしましょう。だから、私をここに置いて下さりませんか?』





私は真っ直ぐと片倉殿を見つめた。





「……………分かった。お前、何もしなくていいぞ」





そう言うと、片倉殿は苦笑いしながら私の頭を撫でる。





『…………え?』

「そんな真っ直ぐした目をみたら、疑う気にもならねぇ」





今度は凄く自然な笑顔を見せてくれた。





『……っ…ありがとう、ございま、す…』





少しぎこちなく感謝の言葉を述べる。片倉殿格好いいな、なんて思ってしまった。





「Okay!!決まりだな。てわけで猿、咲夜は渡せねぇ。つか絶てぇ渡さねぇ」

『わっ!!?』





そしてもう一度政宗様に抱き寄せられた。けど、片膝立ててた状態だったから、政宗様の胸に飛び込んでしまう形になってしまった。





「あららー。残念っ。でも、戦で勝ったら引き抜かせて貰うからねー?」

「ぜってぇ負けねぇから安心しろ」





そして先程より強く抱き寄せられた。





『(…うっ…恥ずかしくて死にそうなんだけど…)』





私の心中を知るよしもない政宗様は、睨むように猿飛佐助を見ていた。





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