紅眼の少女

□第二章
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妙な温かさを感じ、私はスッと目を覚ました。

そして先ず、手と足の存在を確認するため、少し動かした。





『(手も足もある、な。拘束もされてない…。って、ここはどこだ?何故拘束もされずに、寝かされているんだ?)』





不思議に思いつつ、起き上がる。が、





『っつ……』





痛みを感じて顔を歪め、そのままさっき寝ていたところへ倒れた。
そういえば、怪我をしたんだ。忘れていた。そう思い、今度は慎重に起き上がる。





辺りを見渡すと、私が寝ていた枕の上に、自分の着ていた装束と眼帯、装束の中に入れてあった簪が綺麗に整えられていた。しかし、そこに私の獲物はなかった。

そこでハッと気がついた。私は今、眼帯をせずに左目を曝け出している。これを見られるわけにはいかない。そう思い、急いで左目に眼帯を付けた。

次に、私は簪で簡単に髪を結った。本当は紐で括りたかったけど、そこには見当たらないから、仕方がなかった。



――すると、天井裏から人の気配がした。しかしそれも一瞬だった。きっとここの主に、私が目を覚ましたことを、告げに言ったのだろう。

ならば、その主とやらが来るのを、待たせてもらうことにした。








すると今度は、縁側から人の気配がした。足音もそれにつれて段々音が大きくなってきた。足音的に、二人だろう。
ジッと縁側の襖と睨めっこをしていると、





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