連載(碓氷寄り)

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最近思うんだけど、美咲ってやっぱりメイドの仕事そんなにやりたくないんだなって。

一段落つくたびにため息をついている。

3バカの対応もしんどいみたいで、よく私が回るけどやっぱり回れない時がある。

「美咲…」

「ミサちゃんミサちゃん!」

美咲が店長に呼ばれて裏に回って行った。
店長のことだから美咲の気持ちには気付いてるはず。
だから何かしらアドバイスしてあげるんだろーなー。
私自身この仕事は超楽しい。

「美咲ちゃーん。注文おねがーい」

「はーい!!」



そして、とうとう学園祭の日がやってきた。



『ついに学園祭本番だ!!皆の衆気合い入れていくぞ!!』

私は美咲とともに整備に回っている。
2-2が気になってどうしようもない様子の美咲。
女子がいっぱい来てくれて嬉しい限りだけど…

「美咲!!先に2-2見に行ってくる!!」

「頼んだ!」

私は人込みを掻き分けて校舎の階段を駆け上がる。
美咲の様子からしてあれから変わりはなかったみたいだけどさあ…。

「…ん……??……ええええええええ!!!!!!!!??????」





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階段を駆け上がっている時、2-2から美咲の叫び声が聞こえた。
嫌な予感がする。男子どもが何かをやらかしたに違いない。
私は急いで2-2の扉を開けた。

目の前に広がったのは、怯えきった客に女生徒。
それから半裸の男子ども
そして“漢の戦闘コスプレ喫茶!!”とかかれた布がひらひらと揺れていた。

まさにそこは地獄絵図と言っても過言ではない。

「なんじゃこりゃぁああああ!!美咲が叫ぶのも無理ないな!!!!」

「みさっ…美咲…女子がいうに…さっき男子がアホなこと言って占領しにきたって…」

美咲が今までにないくらいぶるぶると震えて説明してくれた。不憫すぎだ…。


「やだなぁそんなビビらなくてもいいんじゃない??」


ひょい、と後ろから碓氷が現れた。
思わず飛びのける。
碓氷は面白そうだからノッちゃったー俺アメリカ海軍〜。とノリノリでコスプレしていた。

「近寄るな!!」

「拓海…あんた馬鹿なのか…??」

美咲はしっしっと言わんばかりの怪訝な目で碓氷を見ていた。
…ていうか

「こんなんじゃ客が入らなく…」

「それがさっきから捕虜確保!!ってつぎつぎに…私たち3人じゃ間に合わなくって…!!」

「はあー………!!」

私はため息をついて、走り回る男子をひっ捕まえて全員を廊下にだすことにした。

「美咲!!私はこっち手伝うから!!」

美咲は女子たちを手伝うと言っていた。
そして私は廊下に出た。



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教室の外に美咲と男子達が見える。
何て言っているのかわからないし、心配になる。
しばらく様子を伺っていたら、美咲が頭を下げていた。

「美咲…!!」

「美咲ちゃんごめん!!こっちもお願いできる!?」

「あ、うんわか…っ」

床に足を取られて体がぐらつく。

「わ、わ…!?」

「美咲、」

倒れかけた体を美咲が辛そうな顔で助けてくれた。

そんな辛そうな顔見たくねーのに…。
私は廊下側を見た。
外には拓海、男子の姿が。

2-2の女子に悪いと思ったけど、私は扉を開けた。

「副会長…??」

「ごめん皆!!頼むから手伝ってほしい!!美咲が、女子が困ってんだよ…!!お願いだから…!!」

頭を下げて男子の様子を伺う。
すると、コツ、と足音がして、顔をあげると拓海が不適な笑みを浮かべ

「副会長のお願いだもん。聞いてあげないとね」

そう言った。
そしてそれと同時に男子みんなが立ち上がった。

「会長のみならず副会長がここまでしてんだし、手伝うぜ!!」

「おう!!俺らの活躍見とけよ!!」

次々と教室に入り、接客をしていく男子達。
お客さんもみんな笑顔になっていて、そして美咲も自然と笑みをこぼしていた。

「なにぼーっとしてるの、副会長」

「…いや………楽しいなと思ってさ」






そのあと2-2は大盛況で、アンケート1位を獲得していた。
あれだけ楽しそうな人たちを見れて私もかなり満足だった。





「おーい拓海ー」


後夜祭も始まった頃、お礼を言うべく拓海を探していた。

「ったくどこにいんだ「ここだけど」うわ!?」

またも後ろから現れた拓海に驚きを隠せなかった。
拓海は今だ海軍の姿をしたままだった。

「いきなり出てくんな馬鹿」

「馬鹿とは酷いなー」

けらけらと笑う拓海に私はため息を一つついて頭を軽く下げた。

「なに??頭撫でてほしい??」

「黙れ。今日はありがとう、そういう意味だよ」

「わーお。明日大雨かな」

「殴るぞ」

「やだなー。とりあえず、お疲れ様」

そう言った拓海はふ、と笑って私の頭をぽんぽんと叩いた。

「触んな、馬鹿」




こうして楽しい楽しい学園祭は幕を下ろした。




続く



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