連載(碓氷寄り)

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あれ、こっち見てるの碓氷君??」

「ん??なっ何見てんだよ!!」

拓海はぷっと笑って手のひらを振って去っていった。
バカにされた!!


その後私と美咲はさくらに拓海について語られた。
少林寺拳法やってただのモテすぎて女に興味ないだの…


だから黙ってくれてんのかな??

「って…」

メイド・ラテの正面玄関からどーんと拓海がやってきた。

なんでいるんだ!?

私と美咲は心の中で声を合わせた。
私は取りあえず落ち着いたが美咲の心の声が聞こえる。
なんか挑戦だな??売られた喧嘩は喜んで買うとか言ってるし(笑)
私も混ぜてー!!なんちゃて(笑)

「「おかえりなさいませご主人様っ!!」」

私は美咲ときらきらオーラを出して応答した。
するとプフッと笑われた。



「「屈辱だぁっ!!」」

私と美咲は翌日裏庭で叫んだ。

「なあ美咲…あいつ精神的に追いつめて楽しんでやがるな…」

「うん…コーヒー一杯で一時間も居座りやがってよ…」

「しかも目線が」

「きっもち悪いわ!!」






あーもーだる
と美咲の声が聞こえる。

「けほん」

美咲の咳…久しぶりに聞いた。

「美咲…」

「なんだ??」

「いや、いい「おいちょっと待てお前ら!!植木にゴミを捨てるな!!」

またか…
私は男子をみた。
あれ、こいつらちょっと前閉め出した…えーと白川??、と黒崎…更科??だった気が…

「うわ、会長…と美咲ちゃんかよ」

「…お前等それなりに身なりを直せと言ってるだろうが!!ピアスを外せ!!」

「へーへー教室でゆっくり直しますよー」

「ふざけるな今直せ」

「あークソうっせえな!!直すっつってんだろ!!」

白川が美咲に手をふりあげた。

「みさっ…」

美咲は白川の手を受け止めた。
そのまま睨んで

「今すぐっつってんだろが!!!!」

ピアスを掴み引きちぎった。

「みみっ美咲!?今のはもげた!!耳ごともげたから!!
今のはえげつないほどデュワだったよ(?)!!!!」

私もさすがにびっくりして向こうのフォローに回った。
っ!?
まただ。また誰かに…
私は視線に気づいて校舎を見上げた。

「…はあ」


やっぱり拓海だ。
美咲を見てあっけに取られていた。
あ、あっち向いた。

「てか美咲やりすぎだって今のは死ぬって白川が!!」

「ってえっ…つか美咲ちゃん俺の名前知ってんの??」

思ってもみない返事に一瞬戸惑った。

「え、まあ…だって締め出しされたの白川と更科と黒崎が久しぶりだったから覚えた…っつーか」

へらっと笑った。
不良でも割とこういう奴多いから助かる。
その白川ら(次から3バカにしよう…)はなにやらぷるぷると震えて走り去った。





「美咲ちゃんいい奴だ」

「だなだな」

「会長は…」

「だな…」



一方2ー2は…

「なあ…武沢の友達Aくん」

「あ、俺??」

「そーそー。確か君って副会長と同じ中学だったよな??」

拓海は友人Aに声をかけ聞いた。
友人Aはんーと考えて口を開いた。

「鮎沢ってさ、中学ん時は目立たないタイプだったぜ。俺三年間一緒で名前も近かったし…でも生徒会には入ってたっけ…
今と全然変わってないけどな…

ああ、いや変わってるわ」

「なにが??」

「中学の時変な男と付き合って一時期休学になってさ、あいつ元々友達作んないタイプで余計に孤独になって…
でもなんか高校入って友達急に作りだしたけど…」

「ふーーん…」

「つか碓氷が女に興味もつなんて珍しいな。まあ鮎沢可愛いし」



…あんな女、初めてだ。







「…また来てる」

メイド・ラテにまたやってきた拓海。
美咲のげんなりした顔がやけに目に入る。
つか…なんかめちゃくちゃ見られてるけど私。

「ねねっ美咲ちゃん!!あの人彼氏か何か??ずっと美咲ちゃんのこと見てるけど!!」

いやそれは多分あざ笑いの目であって…

「心配そうな目がいじらしいわ〜」

は??心配??


「けほっ…こほん…」

「み、美咲っやっぱり風邪引いてんじゃん!!」

うまく話を誤魔化せ空気を吸いに行くと美咲がせき込んでいた。
美咲は立ち上がろうとするがふらふらである。

「っ!!美咲帰るよ!!」

「え、いや…帰るなら一人でも「ダメだ!!帰るよ美咲!!」

私は店長に申しづけ、美咲を家まで送っていった。
家に着くと美咲は安心したのかふら、と倒れた。
美咲の軽い体を支え、お姫様だっこをして部屋まで運んだ。
ちょうど紗ちゃんもミサママもいなかったから私が看病することに。

「美咲…」

私は氷水に浸したタオルを苦しそうにしている美咲の額に乗せ、たまたま鞄に入っていた風邪薬を無理矢理飲ませた。

「…ん…美咲ごめんな…」

「いいよ。ゆっくり休んで。おやすみ」

「ん…おやすみ…」

美咲はにこっと笑って眠りについた。
ああ美咲可愛いな。
もっと笑ったら男子だって…
私は美咲の寝息が落ち着くまで頭を撫でていた。


**

翌日

学校に行くと美咲が絶好調のようで安心した。
てか体だる…
もしかしてうつっちゃったかなー…??



美咲が職員室に向かって10分。
戻ってきたと思ったら怒りを露わにしながら帰ってきた。

「美咲どったの??」

「…碓氷拓海にトップをとられた…」

「ええ!?」





まあその後男子が雑誌のことでぐだぐだぐだぐだ反論してきて、生徒会役員で禁止する雑誌を決めることにした。

「副会長…」

「どーした沢くん」

会計の沢くんが廊下で声をかけてきた。

「その…先月分の会計がうまく…あわなくて…会長には言え、なくて…」


おずおずと話す沢くんを見てつい笑ってしまった。

「ははっ…そんな怯えないでよ!!私めったに怒んねーしなっ!!
ん、私がやっとくよ。できたら沢くんに届ける」

「っ////あ、ありがとう…ございます」

沢くんはなぜか上機嫌でその場を去った。

「けほっ…こほっ…」

はあ…ダメだ咳がとまらーん…

私は生徒会室に向かって自席で会計をし始めた。
…ああ忙しい。

「副会長って実はM??」

「ぅわぁあっ!!!!」

ばっと振り返ると拓海が普通に座っていた。

「なんでお前がいんだよ!!」

「自分追い込むの好きそうだから…うんMだよ」

「はあ!?どっちかっつったら私はえ…す」

勢い良く立ったから立ちくらみで視界が消えた。
う、わ…なにも見えな…

「もうちょっと自分の心配したら??
なんか副会長見てると危なっかしいんだよね」

「!!」

気づけば拓海に支えられていた。
そういやこのセリフ
『危なっかしいで??お前』
中学の時、の…あいつの…

「っ触んな!!お前見てると昔思い出すんだよ!!
絶対お前の力なんかかりるかっ!!!!」

私は会計をほって生徒会室をあとにした。



「昔って…前付き合ってた変な奴っての…??
まさか俺と一緒にされるなんて…」




メイド・ラテ―

「けほっ…ごほ…
くそー…体こわしてる暇なんかないのに…!」

会計は合わないし雑誌も決めなきゃだし…
はあ…

「…や、ば…気持ち、悪い…」


「副会長じゃね!?」

「!?」

「やっぱそうだ!!」

この声更科…っ!?

「マジでメイド!?」

う、わ最悪だ!!
なんでだよ結構遠いのに。なんで3バカがいるんだよ…!!

「可愛いなー副会長」

「…だま、れ…」

「え、なになに風邪でも引いてんの??」

私はばれてもいいが美咲は…!!
お願いだからもう騒ぐな…っ!!

「超可愛いなー」

私の腕をつかむ白川。
はらいたいけど力が、出ない…

「可愛いからって触りすぎ」

誰かに引き寄せられ気づけば腕の中。

「うっ碓氷!?」

う、すい??

「!!うわ熱っ…予想以上大丈夫か!?」

「悪…い…拓海…ん…」

「いいよ ゆっくり休んで」




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