連載(碓氷寄り)

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ざわざわ

「ん…なんか騒がしいな…」

星華高校。
なぜか男子が更衣している方がなにやら騒がしい。

「なんでそんな五月蝿いんだよ…」

私は校内の見回り中。

…さて、また男子がやらかしたか…。

「ははっお前が先に返せよっ」

「えー」

私の目の前で広がった光景は、男子が半裸で二人廊下を走っていた。

「…そんな格好で…廊下を…走るんじゃねぇぇえっ!!!!!!」

私は向かってきた一人の男子を背負い投げした。

「女子が怖がるようなことはすんなって言ったでしょうが。半裸で走るなんて…処刑されたい??だいたい廊下は走るな歩けよ!!」




一方生徒会室―

「飛び入り歓迎野球拳大会??却下」

私は鮎沢美咲。生徒会長だ。
もうすぐ学園祭で出し物の案が2ー2だけ決まっていない。
案は持ってくるがくだらないものばかり。

「なんでだよ!!星華の学園祭といえばコレだろ!!」

「そんな伝統はない」

「去年コレやって盛り上がったじゃねえか!!」
 ・・・・・
「お前等だけな」

「それでいいじゃねえか!!祭りは俺らが楽しむもんだろ!!」

「てめえら…」

こいつらうるさい割にロクな案だしゃしねえ…

「言っただろうが!!今年の学園祭テーマは“新生星華高校”!!今こそ“臭い・下品・野蛮”の汚名を晴らす時なんだよ!!」

「じゃあ女性モデル撮影会!!」

「おまえ今の話聞いてないな!!マジでいい加減まともな案持ってこい!!決まってないのは2ー2だけだぞ!!」

女子はさっきから泣きそうだし。
クラスに三人しかいないから仕方ないか。

「会長が全部却下するからだろ!?認めりゃいいじゃねぇか!!」

「だから認められる案をもってこいと言ってるんだ!!」

「くっ…相変わらずの頑固さ…横暴にもほどがある!!やはり会長に立ち向かうのはこの人しか…!!」


急に男子たちが道を開けだした。
真ん中には誰かがたっていた。

「碓氷さん!!」

そこには碓氷拓海の姿が。

「何とか言ってくださいよ!!会長自分が学年首席だからって俺たちのことバカにして聞く耳持たないんですよ」

「文武両道な碓氷さんしか言葉に威力がないんですよ」

…碓氷。
しかし潔いバカ共だな。
瞬間、がらり、と生徒会室の扉が開いた。

「ごめん美咲ぃー。
見回りしてたらバカ男子に出会って遅くなっちゃった」

「ああ全然構わないぞ。ご苦労さん」

私は時計を確認した。
約束の時間から5分ほど遅れていた。
美咲のことだから口で交渉したから遅くなったんだろう。

「ああっ鮎沢さん!!」

え、なんだなんだ??
なんか男子がすっごい気持ち悪いほどにうるうるした眼で私を見てくるんだけど。
なんか吐き気が。

「な、なに…??」

「鮎沢さんからも頼んでくださいよ!!」

「だから何を!?」

「え、だからっ飛び入り歓迎野きゅ「却下」ま、まだ何も言ってないじゃないですか!!」

「ざっけんな。野球拳なんかしたところで女子が参加するとでも!?おまえ等ただ女子の裸みたいだけだろ変態男子共が!!
おまえ等は来年女子が入ってこなくていいの!?
おまえ等が楽しむだけじゃ学園祭にも星華にも女子はこない!!帰れ!!」

うわ私超いいこと言った(笑)
私が念をおすと2ー2の男子は「くっそおー!!!!」と叫んで生徒会室を出て行った。

「美咲助かったよ…あいつらバカすぎて困るんだよ…」

「おうよー。」

「まーでも会長。もうちょっと男側の意見を聞いてあげれば??」

「まだいたのか!!」






メイド・ラテ―

「ミサちゃんっ。これ余りものだから好きにしていーわよォ!!」

「ありがとうございます店長…!!」

今日も美咲は景気のいい店長にまかないをもらっていた。

「ホントえらいわあミサちゃん…家計を支えるためにはたらくなんて…」

「母にばかり苦労かけられませんから」

そう。
美咲の父親は借金を残して蒸発して、そんな家の苦しい家計を助けるために少しでもいい条件の場所を探してここを見つけたみたいなんだけど…
やっぱり美咲は男嫌いだから慣れないみたい。

「お帰りなさいませ…っ!!…ご、主人様…」

またもや正面から入ってきた碓氷拓海。

「ネコ耳モエー」

くっそ…ムカつく顔してムカつくこというな!!

「学校帰りに来るのやめてって言ったでしょうが…!ほかの奴らにこんな姿見られたら笑われるどころじゃ…」

私は周りに聞こえない程度に拓海に話しかけた。

「大丈夫だよ。逆にあいつらハマってるじゃんすっかりファンだよ??」

拓海はにやにやしながら3バカのほうを振り向く。
美咲も向こうのほうで鬼の形相をしていた。

翌日…―

「仮装ドキドキ合コン野球拳大会……


却下に決まってるだろが!!アホかおまえら!!」

「何でだ!!」

あーらら。
今日もか…てか合コンと野球拳を一緒にしてどうするよ…
私は今美咲たちのほうに行けず拓海の隣にいる。

「だいたいおまえ等女子の意見聞いてるのか!?女子はなにがしたいんだ!?」

「えっ…き、喫茶店…」

「よし2ー2は喫茶店」

瞬間室内に男子のブーイングの嵐。
拓海を見ればものすごくつまらなそうな顔をしていた。

「碓氷さん鮎沢さん助けてください…!!」

「なぜ私まで入る!?」

「えー俺やりたくないもん」

だろうな。
こういうの興味なさそう。


「くそっ作戦練り直しだ…仮装は名案だと思ったのにな…」

「てか先輩三年なんだからもうちょっと会長に強く言えないんですか…」

「だってあの女超怖ぇ母親みたいなんだもん」

「でも本当に星華に碓氷さんという希望の星がいてよかったよな!!完璧だし!!」


「この前だって碓氷さんスゴかったぜ…!!」

『やべーって!!どうするよ…』

『どーしたの。早く帰りたい早く開けろメシ食いたい』

『あ、碓氷さん…それが体育館倉庫に人がもういないと思ったのか』

『誰かがカギを…』

『…どいて』

『え??』

バァンッと扉が壊れる音がした。

『…行こっか』

『か…かっけぇー!!強ぇのかっけぇー!!』



「てなことがあってよ!!」

「さすが碓氷さん!!」

全部聞こえてんぞ男子たちよ…
そういえばいつのまにか女子たちと美咲の話が終わってる!!

「…しかしなんかすげー力はいってるね会長」

「当然だ!!学園祭ほど学校のイメージアップをはかれるチャンスはない!!」

おお!!美咲がヤル気だ!!私も乗ろう!!

「「目標は来春!!」」

「かわいい女の後輩が一人でも多く入学してくること…」

「この学校の男臭さを必ず払拭してやるんだから!!」

「あの会長…副会長…」

「「なんだコノヤロ!!」」

私たちは上がりっぱなしのテンションのままで答えたからつい暴言を吐いた。

「ひぃっ副会長まで…っ」



「ぷっ…やっぱおもしれぇ…」
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