ぷよ・魔導
□雨上がり
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「今日はもう閉館の時間ま。気を付けて帰るま」
休日ということで、学校も休み
プリンプ魔導学校の(自称)エリート、クルークは図書館へ着ていた
静かに読書や勉強をしたい者にとって、図書館は一番過ごしやすい場所である
閉館の時間になり、「あくま」という名前の、端から見れば動くくまぬいぐるみが声をかけてきた
人外のモノが言語を話すのは、この世界じゃ珍しいことではない
だが、どうやって声を出しているのかは謎である
借りた本をしまい、一度忘れ物がないか確認した後、出入り口の扉を開いた
「雨…か…」
扉を閉め、雲が懸かった空を見上げる
雨は小降りだが、しばらくやみそうにはないようだ
傘を持ってきていないので上がるのを待つか、急いで帰るか迷った
濡れたくはない気持ちはあったが、ここから家まではそう遠くない
いつも持ち歩いている本を濡れないように両手で抱え、雨の中を走り出した