隔離部屋

□素直に伝えられなくて
1ページ/1ページ


缶ヅメのノリだと思ってください。










サタン「おい、シェゾ!」


シェゾ「うるさい。本読んでんだから邪魔すんな」


サタン「……人の家に来ておいて、いくらなんでもそれはないではないか」


シェゾ「本を読みに来たとハッキリ言ったはずだ」


サタン「だとしても、無償で読ませてやっているのだ。少しくらい私の相手をだな……」


シェゾ「気持ち悪いぞ」


サタン「…………この本は没収だ!」


シェゾ「なっ!?このっ、返しやがれ!」


サタン「これは元々私の本だが?」


シェゾ「あぁそうかい!なら用はなくなったし俺は帰るまでだ!!」


サタン「ま、待て!貴様、私を置いて帰る気か!」


シェゾ「いや、ここはお前の家だろうが」


サタン「相変わらずつれない奴だな」


シェゾ「そりゃあどうも」


サタン「しかし、私は諦めんぞ……!場合によっては、この本を貸してやらなくもない」


シェゾ「一応、条件くらいは聞いてやる」


サタン「よし、ならば私の相手を……」


シェゾ「じゃあな」


サタン「……たまにはデレを見せねば、ツンデレとは言えぬのだぞ?」


シェゾ「知るかアホ」


サタン「本が読みたいのではなかったのか」


シェゾ「お前が取り上げたんだろうが」


サタン「条件を満たせば貸してやると言っているではないか」


シェゾ「悪い予感しかしないからな」


サタン「やましい事など考えてないぞ」


シェゾ「信用できるか」


サタン「何もそこまで否定しなくてもよいではないか……」


シェゾ「日頃の行いってヤツだ。自業自得、諦めろ」


サタン「そろそろ拗ねるぞ?」


シェゾ「後勝手にどうぞ」


サタン「……本を取り上げたこと、もしかして本気で怒っているのか」


シェゾ「…………」


サタン「き、貴様が悪いのだぞ!本にばかり夢中になりおって!」


シェゾ「読みに来たんだ。当たり前だろう」


サタン「ま、まぁ……確かにそうだが……」


シェゾ「じゃ、俺は帰るからな」


サタン「おいコラ待て!」


シェゾ「……なんだよ」


サタン「人に散々言っておいて、帰りますはないだろう」


シェゾ「なら何か言い返せば良いだろ、面倒くさい」


サタン「……シェゾ、愛してる」


シェゾ「なっ!?な、にを……言って……!」


サタン「フッ……どうした?顔が赤いぞ?」


シェゾ「〜〜〜う、うるさい!ニヤニヤすんなっ!このアホサタン!!」


サタン「まったく……もしかして、これを言われたくてツンツンしてたのか?」


シェゾ「違うわ!そして頭をなでるな近寄るな!!」


サタン「仕方ないな。まぁよい、本も返してやろう」


シェゾ「くっ……!本読み終わったら絶対に帰るからな!」


サタン「ほう?家に持ち帰るのが駄目だとは言っていないが……そうかそうか!そんなに私の側にいたいのか!」


シェゾ「ち、違うっ!」


サタン「まぁ、ゆっくりしていけ。紅茶とコーヒー、どっちにするのだ?」


シェゾ「…………カフェオーレ」


サタン「了解」
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ