□panic★action
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───ああ成程。ジーノはこういう事を言っていたのか。


俺は今更頭を抱えていた。
こういう状況になるだなんて、こういう状況になってみたいと分からないもんだ。
対処方法なんてものはまったく思いつかないし、一体、どうすればいいのだろうか。


ああ、確かにこんなテーマパークみたいな所で一人迷った俺も悪い。
俺も悪いよ。認める。
でも、これはイレギュラーじゃないのか?




「おにーさん、ひとり?」



一人じゃないって。でもってきっとお前より年上だよ。
高校の先生だって言ってんじゃん。
何を言っても引かない男に、俺はうんざりしていた。こんなおっちゃんを引き留めて、この若造は一体何がしたのだろうか。ほとほと理解出来ない。



「だからぁ、俺。引率で来てんだって言ってんじゃん」

「嘘だぁ」


はははと笑う男の鳩尾に一発喰らわせてやりたい。
くっそう私服なんかで来た俺も馬鹿だった。いやでも、外で白衣なんて着ていても変なだけだし。
さて、どうするか。



「あのね、もー…」

「達海!」



は? 
聞き慣れた声と、その声からは聞き慣れない自分の名前に、振り返る。
そこには声の主の赤崎と、もう一人は椿。
あ? 二人して一体どうした? ──と、言おうと思ったら、椿がぐいっと俺の腕を引っ張った。




「一人でうろちょろするなって」

「っえ?」



にこ、
笑う椿があの独特の体育系敬語を使わない事に、俺はかなり驚いた。
え? どういうことなの? きゅーに下剋上なの?
訳が分からず、俺は目をテンにする。








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