□わんこの杞憂
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「かんとく…!」



俺、一体何を──…!
そう言おうとして、達海が急に立ち止まる。
うわっ、出かかった声を緊急に呑みこみ、あれと首を傾げた。
達海が立ち止ったのは保健室で、その札を見てまた椿は首を傾げた。


そのドアを達海は豪快にがらりと開けて、中を覗く。



「しつれいしまーす…って、あ、おばちゃん居ないのか」

「監督!?」

「おら、ベット座れ」

「え、なん」

「監督命令」

「はぃいい!!」



監督命令と言われれば逆らえないのが椿が。
まあ教師命令と言われても椿は逆らわないが。
直々に出されたその監督命令に怯えながらも即座に椿はベットに座る。
達海の指定ベット。
体重をかけると、ふわ、と沈んだ。



「よし」

「あの、監督…一体…」

「脱げ」

「え?」

「だから、脱げって」

「は、」

「「えええぇええええー!!!!」」



ガターン、と。
随分景気の良い音をだしながら保健室の扉が開かれて、椿は大げさに肩をびくつかせた。
あれ、この声って、丹さんと世良さん? 






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