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□続! 王様の隣の席
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居たんですか、なんて質問は愚問だ。
ジーノは腕を組んでふうんと持田が立てた砂埃を払うが如く、優雅に立っている。
ちなみに、苦笑いしている石神と緑川。呆けている清川と堀田と、苦い顔をしている堺も居るが。村越に至ってはもう睨みつける、という顔だ。
「ね? タッツミー。ボクは言ったでしょう? 少しは気をつけてね、って」
はぁぁ、と大げさに溜息を吐いて方を竦めるジーノ。
普段だったら「何言ってんだよははは」と笑う達海であるが、押し倒されて唇まで舐められれば危機感を感じえない。ただの笑えない冗談であって欲しいとも思うが。
「達海さん、何かされたか?」
「あ…ドリ…」
腰を抜かしている達海に手を差し伸べる緑川。
苦笑いをしているのはそういう事だろう。
達海はぼんやりとしたまま緑川の手を掴む。
あぁ一人で立てないとは情けない。自分でそう思いながら。
「いや、別に…唇、舐められた…だけ…」
「別にって事じゃねぇ気もするけどなぁ」
そうだよね。俺もそう思うよ。だって男に、ねぇ…。
本当に驚いたよ流石の俺も──…と、口を開いた瞬間。
「、ん?!」
ちゅう、と。軽い口付を御一つ頂戴してしまった。
可愛らしい口付だろうがなんだろうが、世良と椿の両名は絶叫した。ここに夏木が居れば彼も絶叫していたろう。様々な意味で。
「変なのにマーキングされると、大変だかんな」
うちの監督様に、なァ?
笑う緑川に、達海はおろか他の誰一人何も言えなかった。
「あーあ。先越されちゃったよ」
溜息を吐く、ジーノを除いて。
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thanks request!
おまけは後日