□準備室の王様と
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「ねー。何かコーヒーとかないんスか?」

「俺が飲まないから無い」

「え。飲まないんですか?」

「苦手なの」

「苦いのが?」

「そ」



へー以外だなぁとソファに座る石神は随分だ。
まぁでもこれ位俺もやるか…と回顧録した所で何故有里がよく怒鳴るか何となく分かった気がしたけど、無視。




「先生」

「んー?」

「今度此処にコーヒー煎れるやつ持ってきて良いッスか? どーせ先生位しかここ使わないでしょ?」



まぁ、確かに俺位しか入らないし、鍵俺持ってるし。
別に持ってきてはいいのだが。
いいの、だが。



「態々?」

「うん。良いでしょ?」

「いやいいけど…そんなに飲みたいならインスタント位持ってきてやるぜ?」

「えー、いいッスよ」


あ。下さいね、これ。
石神はテーブルに置いてあった(俺の)ポッキーを口に入れる。
聞くんだったら一応俺の了承をしっかり取ってからにしろよ。
むぅと膨れていると、そんな俺に気付いたのか石神は笑ってポッキーを砕く。ぱきっ。



「俺の煎れたコーヒー飲ましてあげますから」

「えーいいよ。苦いの嫌だもん」

「苦くても美味しいんですよ、本物は」

「……ほんと?」

「えぇ」




楽しみにしててくださいね、だなんて良い笑顔されたら、そりゃ楽しみにするしかないよな。








+++
ポッキーの日にupしようと思ったけど思いの他ポッキーが空気なのでやめた一作。
にしても遅いわ(11月16日)
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