□タイミングが悪い男
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*おーさか2とたつみせんせい






やっちまった。



達海は教員生活最大であろう自分のタイミングの悪さを呪った。
自分は運がないと言うのは自覚していたが、これは酷い。酷過ぎる。




タイミングが悪い男





「…せん、せい」



ほおら見ろ。大阪2人組の顔。
これは一体どうすればいいのか。


片山が畑を押し倒してるのってどうすればいいの。
いや、どっちも男なんだけどさ。あ、それが問題? いや押し倒してる時点で問題だよな。
俺の文系タイプの脳みそが必死に言い訳を構築する。
いや言い訳っていっても俺は悪くないじゃん? 
委員会室でいちゃついてるこの2人が悪いんじゃないのか?
いやでも世間一般では同性愛とか理解なくて苦しんでんのかなこの2人も。
じゃあコレって俺が先生として理解して応援してやらなくちゃいけないんじゃないのか、これ。


「達海先生! ちがっ…! これは」

「……いいよ、畑」


何がいいんだよ、と己にツッコミを1回。
押し倒されている畑の言葉を遮って、俺は書類を机に置いた。
そうだ。
この2人だって色々あって愛し愛されなんとかかんとかなんだよな、うん。
教師が教え子を理解しないで誰がするっていうんだ。そうだ。



「俺、2人の事応援すっから!」

「達海先生ィぃいいー!?」

「ちがっ、落ち…ッ」


後ろで片山が何か叫んでたけど、何かもう戻れない雰囲気だし。まぁいいか。
あ、そういえばもう部活行けるじゃん、ラッキー。

と、そんな能天気な事考えながら達海は白衣を揺らして階段を下った。












殴り合いのケンカの途中に際どいシーンになってた2人。
そんな具合の悪い所に達海先生。
ジャストタイミン過ぎた先生でした。
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