*GIFT*
□さぁ、手を取って?
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「うっわーっ!広いっ!」
「そうだな…混んでなくてよかったよ。」
リンとレンは電車に揺られてテーマパークへとやって来た。
二人もそれなりに顔が知られてきていた(VOCALOIDがテレビで歌う時代なのだ)ので心配していたのだが、幸い平日ということもあって騒がれることもなかった。
…VOCALOIDは学校に行かないんですっ!
「レンっ!何乗る!?」
「リンが決めろよ」
「えーっ!じゃあ…コーヒーカップとか?」
リンはそう言ったが、目はコーヒーカップなどには向けられていなかった。
視線を辿ると、その先には絶叫系コースターがあった。
かなり距離があるにも関わらず、乗っている人の叫び声がはっきりと耳に届く。
さて、どうするか…
レンは正直なところ絶叫系が大の苦手だ。
でも、目をキラキラさせて「レンと来たかった」と言っていたリンを楽しませてあげたかった。
レンはグッと拳を固め、リンに言った。
「あれ乗ろうぜ!ジェットコースター!」
「へっ!?レン乗れるの?」
リンは目をぱちくりさせている。
さすがに片割れは俺がジェットコースターが苦手なことは分かっているようだった。
「…せっかくリンと来れたからさ、乗っときたいんだよ。」
「レン……。分かった!乗ろうか!」
「おうよ!」
二人は手を繋いで駆け出した。