*曲小説*

□ジェミニ
2ページ/19ページ

ピンポーン

…誰かしら?

お母さんが玄関で話しているのが聞こえる。

「リーン!ちょっと来て!」
「はーい」

何だろう…?
胸がドキドキして…
期待が押し寄せてくるこの感覚…

胸を押さえて玄関へと急ぐ。
そしてなんにもない風に装って…
「何?お母さん」

茶色い髪が陽に透けてとってもきれいなお母さん。
お酒が大好きで子供っぽいところもあるけど、人懐っこい美人だ。

そのお母さんが笑顔で、

「隣に引っ越して来た方よ。ご挨拶しなさい。」

…何でこんなに嬉しそう何だろう?
そう思いながら相手を見る。
…綺麗
長い桃色の髪に抜群のスタイル。
そしてとっても美人さん。
どぎまぎしながら

「はっ、はじめまして!鏡音リンです!」

「はじめまして。鏡音ルカです。
…わたし歌手やってて、MEIKOさんともデュエットしたんだけど…知ってるかな?」

わたしのお母さんは歌手だ。
旧姓の『咲音メイコ』で活動している。
もちろんデュエットもしている。
歌ってるときのお母さんはいつもよりもキラキラしてて、すごくきれいだ。
わたしもよくライブに行っていた、だから…芸名を聞けばルカさんのことも分かると思う。

「芸名は何ですか?」

「巡音ルカよ。」

覚えている。
あれは確か…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ