*記念小説*

□本当に欲しいもの
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本日はバレンタインデー!
と、僕の誕生日





KAITO誕生日企画1日目
本当に欲しいもの





「よかったら食べない?」

「うわー、今年も俺らは男からだけかー」

「要らないんだね?」

「要りますごめんなさい始音様」


まったく、これだからお前らはなんて言いながら彼らに向かってタッパーを差し出す。
ラッピングなんて丁寧なことはしてやらない・・・ただ一人を除いては。

ちらりと扉の方をうかがってみる。
ホームルームが始まる直前の教室に彼がやってくる気配はうかがえない。

また後でかな、とタッパーを閉じかけた瞬間


「あっぶねー!ギリギリセーフか!」


と飛び込んでくる人影。

朝日に煌めく金髪、同じく煌めくエメラルド色の瞳
僕の想い人、鏡音レンくんだ。


「おはよ、レンくん。今日は間に合ったんだね」

「おはよ、カイト。今日はバレンタインだからな、とか言って」


いたずらに微笑んだレンくんは僕の誕生日持つタッパーに目をつけたようだった。


「あ、それチョコ?俺にもちょーだい。」

「あっ」


何も言う間もなくひょいっとチョコを摘まむと、パクリと口に入れて咀嚼した。


「うっめー!カイト、お前いいお嫁さんになるよ」

「はっ、はぁっ?」


ちょっと動揺してそう返す。


「・・・無理に決まってるでしょ」

「そうだよなー、お前みたいなイケメンは嫁に貰われるんじゃなくて貰う方だもんなー」

「ははっ」


言えないよね、君になら貰われてもいいかも、なんてさ。



その日の帰り道、いつもと同じように帰路についたレンくんと僕。
僕の左側を歩くレンくんは僕より小さくて子どもみたいなのに、車道側を歩いてくれてて・・・
まるでエスコートされてるみたい、とかかなり重症。

そして右側のずっしりとした鞄には、レンくんへ特別に作ったチョコレート。
渡せず仕舞いで終わってしまっても仕方ないかな。

そんなことを考えていたら不意にレンくんが口を開いた。


「カイト、本命は渡したのか?」

「えっ、わ、渡せてないよ?」

「ふーん、渡せてないってことは相手はいたってことか」

「・・・・・・」

「図星か」


顔を真っ赤にして黙りこんだ僕にレンくんが笑いながら言う。
・・・どうしよう。ここで本命だよって言って渡しちゃうかそれとも・・・

怖かった。
一緒に帰って、みんなが呼ばない名前で呼び合うような良い仲。
そんな関係を崩してしまうのは申し訳ないしもったいないし、やっぱり何より怖かった。

悶々と悩んでいる間に別れ道に差し掛かってしまった。


「ごめんなカイト。別に詮索する気とかはないから気にしないで。じゃあな」


行ってしまう!


「待って!」


反射的に裾を掴んでいた。
そして鞄の中のチョコレートを出すと、レンくんの胸の辺りに押し付けた。


「レンくん!僕の本命、受け取ってください!」

「へっ?」

「ごめん、気持ち悪いよね。でもね、僕、レンくんのことが好き。大好きなんだ。」

「カイト・・・本気?」

「うん、本気」


きっと気持ち悪がられてる。でも後悔はなかった。なんだかとっても清々しい。


「俺でいいの?」

「うん・・・って、え?それって・・・」

「カイトに先に言われちゃうとはなー。もっと早く踏み切ればよかったかも。」

「えっ、ねぇ、レンくん?もしかしてこの告白、受けてくれたりするの?」


信じられない気持ちでたどたどしく聞くと、涼しい顔で「当たり前だろ?」と返された。


「嘘・・・これ、夢じゃないよね?現実だよね?」

「夢じゃ俺が困るんだけど・・・カイト?」

「はいっ」

「好きです、俺と付き合ってください」

「・・・っ!喜んで!」


どさっと飛び付くと、ぎゅっと抱き返してくれた。


「レンくん・・・好き」

「俺も」


しばらくそうして少し人目のつかないところにいて、夜になったらもう少し。


ねえ、この世で一番欲しいものが手に入るなんて最高の誕生日じゃない?

-Fin-
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カイト兄さんお誕生おめでとう!!!
遅刻だね!!!1日目から!!!

てなわけで1日目はレンカイでお送りいたしました。
内容薄すぎくそわろってところですが、これが私の限界ですかね・・・


ちなみに明日(今日)はV3ネタ、明後日は座談会形式、最終日は夢を予定してます。
興味のある方はぜひまたお願いします!

それでは、ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
兄さんお誕生おめでとう!

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