*GIFT*
□夏の日
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「暑いなぁ…」
リンはうつむきながら歩いていた。
アスファルトにリンが作る、濃い、黒い影が写る。
「あーあ、賭けなんてしなきゃよかったなぁ…」
それはほんの10分ほど前のこと。
まだリンがクーラーの利いた涼しい部屋にいたときのことだ。
「なぁ、リン。賭けしないか?」
そう言ってきたのは、双子の片割れのレンだった。
「なんの賭けよ?」
「負けた方がアイスを買いに行く。」
…アイスかぁ。
正直言ってすごく食べたい。
「いいわよ。その賭け、乗った。」
「じゃあ決まりだな。」
それからコイントスをしてあっさり負けた。
「くっそ、レンめ…覚えとけよ…」
女の子らしからぬ言葉を吐き、レンに八つ当たりするリン。
そしてスーパーに到着。
しかし…
「……無い」
なんとスーパーのアイスは全て売り切れだった。
「……レンの奴、帰ったらみてろよ」
だからそれは八つ当たりだって!
それでも店を出ると、暑さのせいでレンのことはキレイさっぱり忘れている。
「暑いなぁ…、早く帰ろッ」
そう呟くと足を速める。
リンが出ていった直後、スーパーには新しいアイスが投入された。
次にリンはコンビニに向かうことにした。
しかし、その時…