お題
□ノンシュガーの甘み
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「KAITO…?一応聞くけど、それは何かな?」
「コーヒーですよ?甘くて美味しいですよ!」
ノンシュガーの甘み
「ぷはぁっ!美味しかった!」
おいおい、それはどう見てもミルクティーだろ?と、聞きたくなるような見た目の「コーヒー」を飲み干したKAITOは満足気に笑った。
その横で、マスターである俺がブラックを飲む。
コーヒーは、さほど好きでもないが、口寂しくて喉がかわいた時にはいい飲み物だと思うんだ。
「さて、マスター。調教戻りましょうか」
「ん、じゃあこっからね」
「はい!」
そう、今俺はKAITOの調教中だ。
いつもほわほわと幸せそうに笑うKAITOだけど、歌う時は格別幸せそうで、見ているこっちの頬が緩んでしまう。
だけど…
「あ、KAITOストップ」
「…はい!何かダメでしたか?」
「ちょっとだけ、この歌詞の後の伸びが欲しいんだ。それと、ここのブレスはもっとゆっくりして平気だから。あと……」
KAITOは一生懸命に、フムフムと頷いて頑張ってくれる。
俺は、KAITOを怒ることは絶対にしないけど、細かい注文が多いマスターだ。
気持ち良さそうに歌うKAITOを見て、止めるのはなかなか辛い。
そんなことを言ったらKAITOは「大丈夫ですよ!気にしないでください、マスター!」と言ってくれたけど…
「あ、KAITO」
「…はい!」
やはり可哀想だ。
でも、半端な曲を大事なKAITOに歌わせたくはない。
あぁぁあっ!どうしようっ!
でも、そんな俺にも遂に納得いく曲が出来るときがくる。
「んっ!KAITO、お疲れ様!」
「ありがとうございます!マスター!」
「今回も注文いっぱいつけてごめんな」
「全然!むしろ、マスターが頑張ってくれてて嬉しいです!」
「そっか…ありがとうな。あ、コーヒー持ってきてやるよ。」
「あ、ありがとうございます」
「うん…そだ、俺のコーヒー飲んでもいいよwなんてねw」
苦いブラックを、飲めないKAITOにわざと勧めて、俺は台所に向かった。
マスターが出ていった瞬間、KAITOのほわほわした目付きが、急に色っぽくなった。
「…ホントに飲んでいいのか?マスターは本当に分かってないなぁ」
KAITOはマスターに恋心を抱いていた。
何度押し倒してやりたいと思ったことか、今ではもう分からない。
でも、嫌われたくないから…
KAITOはマスターのカップに口を着けた。
ブラックの強すぎる苦味と共に、愛するあの人の甘味が伝わってきた。
-Fin-
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またお題をいかせてないorz
しかもKAITO→マスター♂とか、一瞬すぎる…
つまり、ほら…
調教が長いことが伝わるといいなっ、と!←
ここまで読んでくださりありがとうございます!