お題

□困った様に少しはにかむ顔
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「あぁっ!!レン君、アイス食べたでしょ!?」



KAITOの悲鳴が響くが、当のレンは全く無視。
のんきにマンガを読んでいる。



「あーあ…、楽しみにしてたのに…三日ぶりのアイス…」



KAITOはアイスの食べ過ぎで、アイス禁止令をマスターから出されていた。

耐えに耐えた三日間。
やっとマスターからお許しをもらって、嬉々としていた矢先にこのオチ。



「ちょっと!レン君?聞いてるの?」



涙目ながらも、キッとレンを睨み付けるKAITO。

レンは軽くため息をつくと、読んでいたマンガを脇に置き、ソファーに寝そべっていた体をゆっくりと起こした。



「…食ったけど」



ボソッとレンが言う。



「何でぇ!?バナナ食べればよかったじゃん!?」



KAITOの必死の叫びに、レンはゆっくりと問いかけた。



「KAITO兄、バナナ食べたかった?」



「へっ?」



レンの謎の問いに拍子抜けしたKAITOだが、また強く返す。



「違うよっ!バナナも好きだけど、俺はアイスが食べたかったんだ!!」



するとレンは立ち上がり、KAITOの前にゆっくりと歩み寄ってきた。
そしてしゃがみこみ、上目遣いでこう言った。



「KAITO兄にアイスの味を味わって欲しいんだけど…」



「…つまり?」



「キス……してよ」



「!!!」



レンの突然の発言に顔を真っ赤にするKAITO。



「嫌…なの?」



KAITOは横に首を振ると、恥ずかしそうに微笑んだ。



「KAITO…」



レンがKAITOの名前を呼ぶ。



「レン…」



KAITOも恥ずかしそうに名前を呼んだ。

そして―――





チュッ





「/////」



真っ赤になって何も言えないKAITOにレンが聞く。



「アイスの味した?」



「わっ、分かんなかったぁ…///」



「じゃあ……」



レンがニコッと笑って言う。



「もう一回して?」



えへへ、困ったなぁとKAITOが笑う。



でもまた唇を重ねる。




『KAITO兄…確かにキスしたかったけど…』



レンはそこまで考えると、KAITOを強く抱き締めた。


ふふっ、とKAITOが笑う。




『困った様に少しはにかむ顔、その顔を見るだけで実は満足だったり…』




「どうしたのっ?レン?」



突然ニヤニヤし始めたレンにKAITOが問う。



「いや、KAITO大好きだなって、可愛いなって思って」



「なっ!俺は可愛くなんか…」



ない、と言いかけたKAITOの唇をまた塞ぐ。



「可愛いよ。KAITO」



KAITOはまたふにゃっと笑う。




そう、その笑顔。
それを独り占め出来るのは俺一人で十分だ。






『困った様に少しはにかむ顔』



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