小説

□温かい、です
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「黒子っち!一緒に体育館行かないっスか?」


放課後、部活へ出るべく歩いていると黄瀬が後ろから声をかけてきた。


「黄瀬君。別に構いませんよ」

「よしっ、じゃあ行きましょうっぶべっ」

「ひどいなぁ、俺のこと置いてくなんて」


「紫原っち!一緒に行きたいんっスか?」

「俺は黒ちんと行きたいだけ。行こう、黒ちん」


黄瀬と同じクラスの紫原が現れ、黒子の背中を押す。
はい、と返事をすると黒子と紫原は体育館へ向かった。


「く、黒子っち〜、紫原っち〜、酷くないっスか!?」


紫原はフッと笑ったが、黒子はそれどころではなかった。
今の黒子と同じように、両親が出張している。
よって、ゆで卵しか食べていない。


「黒子、お前顔色が悪いのだよ」


体育館に着くと出会った緑間にそう言われた。


「大丈夫です…。緑間君に言われるなんて夢にも思いませんでした」

「髪か!?髪色の事を言っているのだな!?お前だけには言われたくないのだよ!黒子!」

「まぁ、落ち着けよ緑間」


黒子と緑間の肩を叩いたのは、キャプテンである赤司だった。


「赤司っ!今の黒子の発言を聞かなかったのか!?」

「聞いてたさ。でもな…」


赤司は真剣な顔になり、言った。


「駒が無くなった」

「は?」

「駒が無くなったんだよ。だから機嫌が悪い。従って理不尽なことが言いたい。て言うか緑間をいじりたい」

「ふざけるななのだよ!」

「冗談だ、スマン。でも黒子の顔色が良くない。あまり攻めんでやれ」

「…すまない。考えなしだったのだよ」


緑間がしょんぼりしたように俯く。


「だから黒子」

「はい」

「今日は見学してろ」

「……分かりました」


赤司の言葉は間違ったことがない。
黒子も少し躊躇ったあとに頷いた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「黒子っち!帰ろっス!」

「はい」


黒子はかなりフラフラしていた。
黄瀬は黒子を気にしながらゆっくり歩くが、それでも黒子は遅れてくる。


「黒子っち、今日はオレん家に来てほしいっス」

「すみません黄瀬君。今日は体調が優れないので…」

「だからっスよ。夕飯食っていってほしいっス」

「でも…」

「チームメイト、でしょ?黒子っち」

「…ありがとうございます」


そこで何故かマジバのバニラシェイクを貰って、それが大好きになりました。
やはり空腹は最高のスパイス、でしょうか。

あの時に黄瀬君から貰ったのは、甘くて冷たいバニラシェイク。
でも今は……



ふと意識がこちらに帰り、目の前で火神が心配そうにしているのが見えた。


「く、黒子?大丈夫かよ、不味いか?」

「…いえ、すごく美味しいです。ただ…」

「ただ?」

「温かい、です」

「は…まぁ味噌汁だからな」

「そう、ですね」


どうしてでしょう?
今も昔も、心がポカポカします。


-Fin-

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ぐ、gdgd…orz
黒子ファンの皆様、並びにここを見てくださった皆様、すみません…

何となく、キセキ時代にもポカポカした思い出があるといーなーとか思ってみたり
てか黒子を書きたかっただけです←


ここまで読んでくださりありがとうございます!
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