詩室

▼書込み 

11/16(Sat) 22:00
ありふれた独白
mog

疲れ知らずな体躯を走らせ

道なき道を

覚えたての「正義」を掲げ

主人公をひたすら演じた

乾いた陽射しが心地よい

自らの幸せを噛みしめた

幼き日


目の前のものすべてを輝かせていたのは

誰のおかげ?


疲れのたまりきった器の身体

重く腰を降ろしては

言い飽きた「現実」を白旗に

裏方の自分を鏡に映す

「正義」を識った頭でっかちは

グルグルと廻る折り合いと妥協に

自らのちっぽけを噛みしめた

現在




昔輝いていた風景が一層輝きを放って僕を遠ざけるのは

僕の仕業といつから気づいたろう


年月を歩ませたのは

誰が僕に何を求めたから?

僕はそれに応えているのだろうか


まだ希望は捨てない

ただただ灰色な

見通しのない僕の行く先




ため息を聞きつけて

あの頃と変わらない

乾いた陽射しが僕を覗きこんだから

「大丈夫だよ」

無邪気に笑って見せた

幼き日のように

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