彩りの栞
□桜花の記憶
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「姫様…今一度、俺の気持ちをお伝えしてもよろしいですか?」
真剣なまなざしで彼が言葉を紡ぐ
「俺は…生まれ変わっても真田幸村は、姫様をお慕いしております」
変わらない彼の強い光を宿した瞳
「私も…生まれ変わっても貴方を…真田幸村をお慕いしております」
―――今はもう遠い日の記憶
戦乱の世の中に生を受けた一人の武将と姫君の恋物語
再び交わした桜花の中での口付け
時を越えて…二人の想いは紡がれる
想いは空を越えて、時を越えて
願わくば――今生も共にあらん事を…
《終》