彩りの栞

□桜花の記憶
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――やっと会えた…!



「幸村!!」



やっと呼べた…愛しい貴方の名


そっと緋色の青年が振り返る



「姫様!!」



彼と手が触れる

溢れ出す記憶

在りし日の自分

初めて出会った時の事

彼の愛しいその姿

そして…共に歩んだ大切な日々…



「会いたかった…貴方に会いたかった…」



しっかりと抱き合いながら…


私は彼の腕の中で涙ぐんでいた



「俺もです…貴女にずっと…お会いしたかった…」



変わらない大きな手が私の涙を拭ってくれる
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