短編小説


□わんこ日記
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※ルーク獣化注意

ユリルク





『わんこ日記』








○月×日


犬を拾った。まだ小せえ。

朱髪に翡翠色の瞳だった。


ダンボールに入れてあったから恐らく捨て犬。


近づいたらすんげー目で睨んできたけど

その目が、震えた体が、


「生きたい」っつってる気がして、何かほっとけなかった。












「だーかーら何もしねーって」



「……」



「俺が持ってんのはタオルだタ・オ・ル。お前をきれーにすんの、オーケー?」



「……」



「お前雨とかでドロドロすぎ。きれーにしねえと風邪引くだろ?」



「……………やだ」



「お」



「………やだ、ひと、たたく」



「…………」



「たたくの、いたい、」



「……」



「………たたくの、こわい」



「……」



「………こわ、い、」



「…そっか」



「……」



「怖かったな」



「……ん…、ひと、こわい、」



「……」



「……」



「俺は人だけどな」



「……」



「お前を打ったりしねえよ」



「…………」



「打たねえ、絶対だ」



「……」



「叩いたりもしねえ」



「……」



「……触るぞ?」



「……、」



「いてーとこあったら言えよ?」



「……」



「いーこだな。…にしても、」



「……?」



「きれーな朱だな。夕日っつーか炎っつーか」



「………き、れい?」



「おー」



「これ、きれい…?」



「きれいだろ、俺は好きだぜ」



「……すき、」



「…?どーした、ぼーぜんとして」



「………すき、…」



「おい?」



「おまえ、」



「?」



「へんなひと」



「…お前な…」














(…………へんな、ひと、)




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