短編小説


□『ショック療法』
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討伐のクエストを済ませ、ユーリは機関室を後にする。

次に彼が向かった先は医務室。

とは言ってもユーリ自身に外傷は見られない。



目的は友人であるガイの見舞いだった。



グランマニエの親善大使であるルークが、ひと度仕事で外出すれば
従者であるガイは当然それに付き添う。


ガイは従者である前に、主を決めた一人の剣士だ。


ナディなどの過激な不穏分子から、ルークを守ることが彼の務めでもある。



そして今回、ルークたちが視察を終えて船へと戻る途中
そのナディからの襲撃を受けたらしい。


何でもルークを庇護していたガイが、重症を負ったとか。


ガイとはクエストで数回一緒になったことがあるが、実力はユーリの折り紙付きだ。

加えて、稽古仲間としても申し分ない相手である。



その彼が、深い手傷を負ったとなれば相手はかなりの人数だったか、
さもなくば相当の手練れだったのだろう。


そんな勝手な検討をつけて、ユーリは医務室の前で立ち止まった。


見舞いの割りに、手ぶらだったと今更ながらに気付いたが
友人の容態を見る方が先だと頭を切り替えた。



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