Sakurai*

□空と、海と、君の笑顔。
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熱い浜辺
雲ひとつない空に
眩しい太陽

潮風を肌で感じながら
俺は大きく伸びをした。



「ん〜なあぁぁ〜っ!」



両手を後頭部で組んで、それを枕代わりに寝転がる。

となりを見れば、体操座りをして尚更ちいさく、まぁるくなった君の後ろ姿。



「なぁー、ニノー?」

「はい?」

「気持ちいぃーなマジで!」

「そっすね」



……何でだろうな。

せっかくこんな、くつろげそうなシークレットスポット(誰もいない浜辺)に連れてきてあげたのに。


いまいち嬉しそうじゃないぞ?



「あれ…まさか、つまんないってことは……」

「すんません、つまんないっす」



(即答かよっ!?)

水平線をじっと見たまま、ボソッと本音をこぼしたニノ。


どうしたもんかと、俺は両脇に肘をつき半分だけ上半身を起こす。



「何で?」

「この服装見て気づきませんか?」



さっきから見てはいたけども。
そういや、その服装には違和感を感じてたんだ。

長いジーパンに、白の長袖パーカー
そしてフードを被るという、海のイメージに全く合わない格好。


そんな格好してるってことは
もしかしてニノ……



「……おとこのこの日?」

「違います」



ペチンッ

目線は水平線に向いたまま、俺の腹を平手打ちした。



「冗談だって!撮影中なんでしょ?」

「うん、だからこんな格好して…ほんっと暑いんだからね」

「悪かったよ、そんなときに誘って。マジごめん」



少し俯いたニノは、一瞬だけこっちを向くとまた目線を元に戻した。



「それは、あの…別にいいんですけど……」

「うん、」

「そちらさんの、その格好も……どうにかなりませんか?///」



何だかやたら照れてるっぽいニノに促されて、とりあえず自分を見てみる。

海パンに上半身裸、チェーンのネックレスに真っ黒のサングラス。



「え、何か変?」

「変ってゆーか、その…///」

「あっ、サングラスか!」



そう言ってサングラスを取ると、ニノは外側を向き、肩を震わせながら失笑した。



「ふふっ…」

「何笑って…!つか、いい加減こっち向けって!」



あまりにも目が合わないことに不満を覚えた俺は、起き上がってニノの腕を軽く引っ張った。




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