Sakurai*
□空と、海と、君の笑顔。
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「ふぇ…?」
その反動で体操座りが崩れて、お姉さん座りになったニノと、がっちり目が合った。
フードを深く被った状態でこっちを覗き見る…見上げる感じ。
可愛すぎて、つい見つめてしまう。
「ニ、ノ……?」
名前を呼ぶとハッとした様子で、目を背けた。
「な、何ですか?」
「いや…何でもない……」
思わず俺も目を反らす。
(やべぇ…理性ぶっ飛びそう……)
そう思ったときにはもう遅く、速く鳴りだした鼓動を止められなかった。
腕を掴んだ手とは逆の手でフードを取ると、戸惑った表情を浮かべるニノ。
「翔ちゃん…なに?取るなよ、」
俺の様子を伺いながら、自分で被せようとしてフードに手をかけるけど…
それを止めるように抱きしめた。
「ちょ、翔ちゃっ///」
「いいから!このまま……」
このまま……
俺はニノをどうするかな。
なんて考える間もなく
気づけば唇を重ね合わせてた。
「…っ!!?……んぅ……」
ゆっくりと、
息継ぎ無しの長いキス。
「ふっ………はぁっ…」
それが終わると、ニノは色気を帯びた瞳で俺を見上げた。
何かを求めるように、
視線が互いの唇へとたどり着く。
「いや…こんなとこじゃ……」
「いやいや、大丈夫っしょ?」
誰かに見られたら…、なんてこぼすけど
もう一度口づけたら、今度はニノから甘えるようにキスを求めてきた。
「ん、もっと……しょおちゃ…///」
触れるだけのキスから、深く絡み合うキスに変わるまでには、その華奢なカラダを押し倒してた。
首筋に顔を埋めると、ニノの両手が背中に回されて…より一層熱は増す。
「ごめん、我慢できねぇや」
「いつもそう…もう慣れました」
どんな表情でそれを言ってんのか気になって顔を上げると、ニノは優しい笑みを見せていた。
「ニノを…今食べちゃいたい」
「……ハイ//」
「ここで…?」
「いいですよ///」
照れ隠しにふたりの間に挟まれてたネックレスをいじり始めると、
ただし、と付け足したニノ。
「ただし…?」
「俺を……満足させてくださいネ///」
そんな可愛いことを言う君が
愛しくてしょうがなくなって。
すべての気持ちを込めて
答えは口づけで返した。
‐END‐