Ohno*

□ERЯOR
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あなたを想うと心の中に
エラー表示が出る。





きっと処理しきれないほど
重い気持ちなんだね。


あなたが他の誰かとしゃべってたり、仲良くしてるのを見ると、その度にこの気持ちがフリーズしてさ。

また何か大切なモノを消されて、暗闇の中に閉じ込められた感じ。



「ねぇ、松潤?」

「何?リーダー」



はぁー…

ふたり並んで座る姿を横目で見ると、長い溜め息が出た。


(俺……こんなんでいいのかな…)

ソファのひじ掛けに頭を預ける。
柔らかいな、すごく。
柔らかすぎて…自分ひとりの温もりが何だか寂しくて……


涙が溢れてきた。



「………っんでこんなときに…っ…」



嵐5人が集まった楽屋

幸いなことに、まだ誰も俺の様子には気づいてないみたいだけど。


流れた涙を隠すように、左腕を両目の上に置いて寝たふりをした。
あくまでも自然に

自然に………



「…………ニノ?」



(何で気づくんだよ、お前はよぉ〜…っ!)

今まで松潤としゃべってたくせに…
明らかに俺を心配するあなたの声。


自然に隠したつもりが…リーダーだけにはいつも見抜かれてしまう。



「……………」

「寝てる?」



このままいけば確実に泣いてるってバレんだろうな…意外に勘が鋭いんだこの人。

少しでも隠せるように、あなたに背を向けてソファに顔を埋めた。


すると、ちょこっと空いたスペースに腰掛けるリーダー。



「……寝てないでしょ?」



俺にしか聞こえないくらい小さな声で、囁いた。

その優しい口調に、また胸がぐっと締め付けられる。



「どうしたの?…泣いてる」

「泣いてない…っ……」



つい返答してしまった。

でも、いいや。
もう隠す必要もないから、一番バレたくないヤツにバレちゃったし。



「………ニノ……」



頼むからそんな呼ばないでよ。

声を聞くと、何か止まんないんだよ
次から次へと溢れちゃうから



「………ふっ……」



泣き声だけは、なんとか押し殺した。


必死で我慢してると、ぽんと頭に手が乗せられる。
その手は上から下に撫で動いて、何度もそれを繰り返した。



「…りぃ…だ……っ…」

「……うん」



理由も聞かずに慰めてくれるあなたは、本当に立派だと思う…勘が鋭いところも。

でも、どうして…



どうしてこの気持ちには
気づかないのかな?



いっそ言っちゃえば
楽になるのかもしれない

(俺、リーダーのこと……)



「だい…す……っ…」

「……ん?」



だめだ…
またエラー表示がじゃまをする。


言葉を詰まらすと
俺が何で泣いてるかも知らないくせに、耳元で“大丈夫”って言った。


(大丈夫じゃねぇよ、あんたが原因なんだよ!)

そう心で反論しても、結局は覆い被さるあなたの温もりに鼓動は高鳴り続ける。



「大丈夫……そばにいる」








エラー表示が消えない。

こんな情況が続く限り、俺はリーダーに気持ちを伝えられないままなんだろうな。










【ERЯOR】

あなたのことが大好きです。










‐END‐

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