Ohno*

□「〇〇〇〇」
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ガチャ…


楽屋のドアを開けるとまず目にとまったのが、机に突っ伏して眠るキミの姿。

可愛い寝顔でも盗み見てやろうと思って顔を覗き込んだはいいが



O「………え、ニノ?」



映り込んだのは、キミの涙と悲しげな表情だった。

(夢でも…見てんのかな)


今にも溢れそうな涙を拭ってやろうと、手を伸ばしたときだった



N「…愛してよ………」

O「……っ…え?」



すごく小さな寝言が聞こえた。
か弱くて、吹いたらすぐに消えてしまいそうな…小さな声。

驚いて空中で止まってた手を、再び動かして頬に添えた。



O「ニノ……」



夢の中の相手は誰?

おいらだったら、いつだっておまえのこと……。


流れたその涙を親指で拭うと、キミはビクッと体を震わせて起き上がった。



N「………っ!!……楽屋か…」



まだおいらの存在に気づいてないみたいで、下を向いて目を伏せる。



O「うなされてたぞ?」

N「…っ!」



話しかけてやっと気づくと、もっと俯いちまった。



O「涙流して、愛してよって言ってた。」

N「………っ」



誰にそれを言ったのか知りたくて、話を切り出そうと思ったとき



O「ニノ」

N「俺は………アナタに愛してほしい…。」



(………へ?)

突然の切り返しに少し戸惑ったけど…まぁその言葉で夢の中の相手が誰だったか見当はついた。


だから、とりあえず頷いてみる。



O「うん」

N「アナタを………愛してるから…っ」



言葉を詰まらせて、何か重要なことを言おうとしてる。

おいらはそれを黙って聞いてた。


そしてやっと出た言葉が……



N「…………愛してる」



この一言だった。



O「ありがとう、ニノ」

N「………」



正直もう何に対しての“ありがとう”なのか、よく分からない。

こんなおいらを愛してくれて?
その一言を言ってくれて?

感謝しきれないほど、
キミにはたくさん感謝してる。



けど、それだけじゃない。





両手じゃ表せないほど
大好きなキミへ










O「愛してる」










‐END‐
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