Ohno*
□選択肢⇒▼抱きしめる
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「うぇっ!?リーダー!!?投げちゃダメでしょそれ!」
「だってバグんだもん。」
「もっと大切に扱いなさいよ!」
「和子…」
「……俺、和也だけど?」
大丈夫、おいらのPSPは
そんなことで壊れるほど
ヤワじゃない。
落ちた反動で
ソフト入れる蓋のとこが
開いてるけど…。
「ごめん、間違えた。」
「どんな呼び間違えですか(笑)」
そのおかげで覗いたソフトを見ようと
背筋を伸ばすニノ。
絶対に見せまいと、
おいらの胸で君の視界を遮った。
選択肢
▼抱きしめる
「ちょっ///リーダー…!?」
「俺だけを見てろよ!」
「は、おまえ何言って…別にソフトぐらい見たっていいだろ!」
「和也、愛してる!」
「だから離し…っ………え?」
暴れてたニノの動きが止まった。
なんだって?
とでも言わんとするような顔をして
こっちを凝視する。
「やっぱ、二次元は二次元だね。リアリティがねぇもん」
「どーゆー意味…」
「和が好きだってこと。」
キョトンとした表情を見せると
顔を真っ赤にしてうつむいた。
耳まで赤い。
やっぱり…うん、可愛いや。
「……それはマジだと考えていいんですか?」
下を向いたまま
恥ずかしそうに君は言う。
「冗談だったら早めに取り消して…」
「んふふ、冗談じゃないよ。」
ゆっくりと顔を上げると
視線が唇にたどり着いた。
「じゃあ…行為で示してください」
「行為?」
「分かるでしょ?///」
もちろん分かってる
ギャルゲーで学べることナメんなや。
「こーゆーこと?」
唇を近づけると躊躇ったのか、
触れる直前に身を引かれる。
「……っ…///」
「和、」
もう一度同じことをすると、
ピクッと反応しながらも
おいらを受け入れた。
「…………リーダー///」
「智、って言ってよ?」
「さ……」
さとし///
おいらの名前を呼ぶ
そのはにかんだ笑顔は
ゲームなんかと比べものにならなかった。
現実は恐いね。
セーブができなけりゃ
リセットもできないし、
必ずしもハッピーエンドには
ならないかもしれない。
だけど
終わり方は一つじゃないんだ。
ふたりの思い出を
バグらせないように
大切にこれからの物語も
進めていこうよ。
やり直せないからこそ
今を大事に生きようと思うんだ。
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