Ohno*

□選択肢⇒▼抱きしめる
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「えっ…な…マジで……っ!!?」



最っっっ悪だ。



「どうしたんすか?」

「ニノぉ……」



唇と唇が触れ合う直前で
フリーズした画面。

何度も同じところを
ループする音楽。


これは完全に…



「………………バグった(泣)」

「あ〜あ、やっちゃったね。」



このPSPが原因なのか、
ギャルゲーソフトに問題があるのか。

どっちにしろ
こまめにセーブすべきだった。



「もうエンディングだったのに…(泣)」

「てかリーダー、よくバグりますね。」



なんちゃら無双を
TVゲームでやってたニノが
大至急セーブ画面を開く。



「スーパーマ○オでも、Bダッシュしたと思ったらマ○オ地面にめり込んでたし」

「……うん」

「ポケ○ンでも、出てくるポケ○ンが全部ピ○チュウになってましたよね?」

「…………うん」

「今度は何のゲームですか?」



しっかりセーブし終えると
TVの電源を消した。


ニノの部屋には
いろんなゲームが散らばってる。

RPGも育成も何でもやるけど
そんな君が唯一やらないゲーム
それは…ギャルゲーだ。



「な、何て言うのかな〜」

「RPG?」

「う…ん。まぁそんなとこだよね」



ちょっと女の子の出てくる率と
選択肢が多いだけ。

……エロいっちゃ、エロいけど。



「ふーん…リーダーでもゲームにハマるんだ。」

「ハマったねぇ、これは。」



別にこーゆーのが趣味とか
好きなわけじゃない。


ただ、似すぎてたんだって。

主人公の恋人が
ニノにそっくりだった。
性格も、雰囲気も。


だから恋人の名前を
ニノから取ったのも(和子)
それが理由なんであって…



ゲームの中だけでもいいから
おいらは君が欲しかった。



「こ…怖ぇーな、おいら。」

「は?」



もう、この空想の中だけじゃ
満足できない…
てか満足しちゃダメだろう。


向き合ってちょこんと
正座してるニノを前にして
PSPを投げ捨てた。

カシャンっ




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