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□HETARE☆HERO
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「……え!俺、またかんでた!?」



疲れた雰囲気をまとって
家に帰ってきたNEWS ZERO(翔ちゃん)。

そんな彼に
過酷な現実を突きつける。



「そりゃもうガッツリと。」

「ガッツリ!?…うわっ、ヤッベ!」



今更ながら、一生懸命口を動かし
滑舌の練習をする彼。



「あぁーえぇーいぃーおぉーうぅー」

「絶対ヒーローに見えない…」



その顔は残念ながら、
全国のヤッターマン好きに
大打撃を与えるであろうマヌケ面だった。



「わぁーをぉーんんんー!!!…よっしゃ、もうかまねぇ。」

「お…お疲れ様です」

「おぅ!じゃあニノ、ちょっと新聞取ってもらっchie…あぁクソ!またかんだっ!!」



ひとりで何やってんだこの人…(笑)


クスクス笑いながら
イスに座ってくつろぐ翔ちゃんまで
新聞を届けに行く。

手の届く距離まで近づくと
突然、腰に手を回してきた。



「何笑ってんだよー?」

「笑ってないですよ、」



コーヒーが乗ったテーブルの横に
新聞を置く。



「ウケてるだけです(笑)」

「同じだろ!」



回された腕に引き寄せられると
向かい合わせに、
翔ちゃんの膝の上に乗る形になった。



「な…なんですか///」

「俺は緊張には強いんだよな。」



油断してそのままでいると
俺の胸に耳を当てるようにして
頭をあずけてきたあなた。



「だからこうしてれば、かまないんだけど…つってww」

「やめっ///…恥ずかしいからっ」



心臓がドクンと跳ねる。

鼓動が聞かれるのが嫌だから
離れるように、
翔ちゃんの頭をペチペチ叩いた。



「わかった、わかったからっ!!」



その動作が可笑しかったのか
顔を上げて、笑い出す。



「ニノが一緒にZERO出てくれればかまなくて済…」

「丁重にお断りします」



しょんぼり落ち込む翔ちゃん。

少し哀れに思い、彼の頭を
今度は優しく撫でてあげた。



「出るのは…まあ難しいですけど。」

「うん、」

「こんな俺の力でよければ、いつでも貸してあげますからネ。」



俺の力があなたの滑舌に
どう影響するかは知らないが…


いないよりマシなら
そばにいるから。



「どうしたら、力になれますか?」



うーん、と考え込むと
真っ暗な窓の外を見た。



「ここは全然星が見えないね。」

「え…まぁそうですね。」

「だから…だからニノには、星になってもらいたい。」

「………死ねってことですか?」

「いやいやいや!違ぇよ!!」



焦ったあなたは
すごい速さでこっちを向き、否定する。



「俺の言い方が悪かった!」

「そのようで」

「何ていうか、その…ニノにはずっと見守っててもらいたいんだよ、俺のそばでさ。」



照れくさそうにそっぽを見る仕草

俺のヤッターマンは
最高にヘタレです。



「……それだけ?」

「うん。だってもう、とっくに俺の力になってくれてるし。」

「え…?」



ほら、
今も一緒にいるじゃん。

そう言って
俺を抱き寄せたヘタレヒーロー。



「ヘタレヒーロー…///」

「ヘタレは余計だろ。」



耳元で囁いた、
その低い声にまた鼓動が速くなる。


後に追い討ちをかけるように言った
翔ちゃんの言葉を
俺は一生忘れない…

いや、忘れられないだろう。





「ニノ……大しゅき。」





‐END‐




*おまけ*


「しょ…そこでかむなよぉー」

「あれ、おかしいな…(笑)」


チャンチャン♪



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