徒然に書き連ねたる日記

□紅昌風“金のおの”
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むかしむかし、ある所に正直者の木こりがおりました。
正直者の木こりは貧しいながらも、毎日毎日せっせと木を切っては薪をこさえ、それを少ない家計の足しにしていました。

正直者の木こりは、その名を敏次と言います。



…☆…☆…☆…☆…☆…




今日も敏次は斧を持って、木を切りに森に入っていきました。

「まったく……。私は肉体派ではないのだが…。―――いや、これも与えられた職務の一つ。それに木こりの仕事を体験できるまたとない機会だと思えばいい」

根は真っ直ぐな敏次は、与えられた役割を精一杯こなすべく、木を切ろうと斧を振りました。
しかし、やはり過酷な肉体労働などこなした事のない敏次には荷が重すぎるようです。
斧の刃は一応食い込んでいますが、中々思うようにはいきません。

「っく!!木こりの仕事がこうも大変なものだったとは…。これからは薪を無駄にしないよう心がけねば!」

木こりの仕事を実体験する事で、日々当たり前のように使う薪の大切さを改めて実感する敏次なのでありました。



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