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□イコールの続きは
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今までからかっていたように明るい笑顔と違い、優しくまるで見透かされてしまうような目で見つめられた
一羽と同じ赤い目で

私、最悪だ
さっきから先輩と一羽を重ねるなんて

たしかに兄弟で、先輩は女顔な分一羽とすっごく似てる
女装とかしたら違いなんてわかんないと思う

でも、先輩は先輩。一羽は一羽なんだ
まったく別人


「重ねても良いんだぜ?」


また、見透かされてしまったように先輩は私の頭に掌を乗せる
兄さんより小さいけれど、すっごく温かい


「一羽とオレを重ねたろ?別にいいぜ、それでお前が苦しくなくなるなら」

「でっでも・・・!」


返事に戸惑った
なんて返せばいいのか分からなくなった

目の前にいる先輩が、どうしても一羽と重なってしまうから
すると、先輩が私を引き寄せた
私が先輩の胸の中に埋まる形

突然の事に私は顔を真っ赤にする
さっきから心臓が激しくなっている
聞かれたくなくて私は離れようとした

すると


ドクン


「(えっ?)」


私のとは違う、私と同じように速くなる鼓動
直接伝わってくる
これは・・・


「オレは護のことが好きだよ」


一羽とは違う、少し固めで細い体
だけど、私を包み込んでしまって温かい
抱きしめられている腕の中で、私は一羽に抱いたことのない感情が目覚めた


「・・・やっぱり、先輩は一羽じゃないよ」

「・・・オレじゃお前を支えることはできないか?」



私の支えは一羽だけ
でも、この腕の中なら私は一人で立っていられる
ううん、この腕が無きゃ立っていられないの


「先輩は先輩だよ。私の好きな一羽じゃない。でも・・・一羽と違う、温かさがある









 私の事、支えてくれますか?」




「理解」と「諦め」=「新しい始まり」




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