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□ここから始まる太陽と風
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全部が嫌だ
後ろから聞こえてくるみんなの笑い声も
オレの真上から降り注ぐ太陽の光さえも
嫌で嫌で、ひたすらオレはそれから逃げていた
≪ここから始まる太陽と風≫
「すっげぇ〜、皆ちっせぇ!!」
「キャプテンは・・・あまり変わってないね」
そう言いながら吹雪・立向居・綱海・豪炎寺に鬼道・・・他にもたくさんのメンバーが一冊のアルバムの周りに集った
円堂の家にいるメンバー全員がその一冊のアルバムに視線を集める
「円堂さん、すごく可愛いです!」
「でも、どの写真にもサッカーボールと一緒に映ってるんだな・・・円堂」
豪炎寺が呆れたように円堂を見る
当の本人もアハハっと苦笑いを浮かべながら返した
ページが何度かめくられて保育園ほどの写真の中の人物は小学生ほどにまで成長していた
楽しそうに笑う円堂と知らないクラスメイトと思われる人物
見ていくにつれて鬼道はある疑問を抱いた
「意外だな」
「何が?」
ぼそりと呟いた鬼道の言葉にベッドの上で皆の様子を窺っていた円堂はベッドから下り、みんなの集まりの中に混ざる
「風丸との写真がない」
「そう言えば!」
皆の手の動きが巻き戻る
いくら戻っても円堂と風丸が映る写真が見当たらない
途中から、風丸と会ったのは小学生からだからそんなに戻ってもねえよ。という円堂の言葉でその手を止めた
逆に最初に見ていたページより先のページをめくる
そして、小学生のページが終わりを迎えようとした時だ
「あっ、あった!キャプテンと風丸君の写真!」
「お〜、風丸可愛いじゃん!・・・って、なんかこの風丸怒ってねえ?」
その写真の中には二人の少年
茶髪の少年が女の子とも見て取れる青髪の少年の首に腕をかけ、無理やり写真に映らせているようにも見える
青髪の少年は眉間にしわを寄せ、今にでも逃げたそうな顔をしている
それとは対照的にその隣のページには満面の笑みを浮かべている二人の写真があった
次のページをめくればもう、中学生の円堂が映っていた
小学生の二人の写真はその二枚だけ
「二人って幼馴染なんだよな。この写真から見て二人が仲が良いとは到底思えないんだが」
豪炎寺が不機嫌そうな風丸の映る写真を指差す
「その時の風丸、不良だったから」
「「「・・・・・・ハァっ!!!?」」」
突然の円堂の言葉にその場にいた者全てが一瞬の沈黙の後、目を見開いて声をそろえた
当たり前の反応である
いつもは、真面目でしっかりしていて誰よりも優しい彼が不良だったとは思えないから
しかし、円堂はその写真を見ながらやわらかく微笑んだ
何だか懐かしいな・・・
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