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□本当の貴方が見たいだけ
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大人ぶってる子供の事をマセてるって言うけど

だったら、クールと大人ぶってるは同じなのかな?

頭が良くて、かっこよくて、どこか落ち着いた雰囲気の彼のことを・・・

私はどう言い表せばいいのだろう






≪本当の貴方が見たいだけ≫






「むぅ〜・・・」


そう口を尖らせながら一羽は持っているシャーペンを口元に添えてノートとにらめっこをし続ける
脳内の引き出しの全てをこじ開けて、今向き合う問題に立ち向かおうとしていた


「ここをこうして・・・って、これじゃあ、計算が合わないし・・・」


ぶつぶつ呟きながら書いては消して、書いては消してをひたすら続けた
すると、一羽の背中側にある扉が開く音がした


「風丸。どうだ、できそうか?」


そう言いながら入ってきたのは一羽の恋人である鬼道
振り向いた一羽は苦笑いを浮かべて鬼道に返す


「どうしてかな〜、今度こそはって思ったのに・・・」


今、一羽は鬼道家に訪問させてもらい授業で出された課題を必死で解いている
彼女は成績優秀、学年でも上位に入る実力だ
出された課題を次々と解いていった

しかし、最後の一問にして一羽の進んでいたペン先が止まった
そして、その問題に悩み続けた早10分


「見せてみろ、どこがわからない」


鬼道は一羽の隣に腰を下ろしてノートを覗き込む


「駄目っ!鬼道が見ればすぐわかっちゃうもん。自分で解きたいの」


そう言って、一羽は自分の細腕でノートを隠す
こんな性格だと承知している鬼道は軽く鼻で笑って見守ることにした


「今の台詞を円堂にも言ってもらいたいものだ」

「あぁ〜・・・無理じゃないかな。」


とことんサッカー馬鹿な彼には一生あり得ないことだろうと二人は静かに笑った


「鬼道、まるで円堂のお父さんね」


冗談混じりで言った一羽の言葉に鬼道は口元を吊り上げて一羽の長い青髪の一束を指に絡め口元に添えた


「そう言うお前も、前にお母さんか・・・なんて言われてなかったか?」

「あぁ、言われてたけど、それが?」

「     」

「・・・っ!!!///」


最初は何事かと思った一羽は次に耳元で囁かれた鬼道の言葉に顔が爆発直前の様なくらいまでに朱色に染まった



――お父さんとお母さんなんて、まるで夫婦のようだな



「なっ何言ってるの!!」

「否定はしないんだな」


一羽をからかい続ける鬼道はからかえばからかうだけ赤く染める一羽の顔を楽しんでいた
そんなことわかっている一羽だが言い返せないうえ、今まで鬼道に勝ったことが無い


「むぅ///」

「フッ、続きをやらなくていいのか」


言われなくてもやるもん、と一羽は鬼道に向けて歯をむき出してノートに視線を移した
一羽の横からは鬼道のクック・・・という笑いが聞こえてくる
笑われていることに一羽は耳まで赤くした




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