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□もっと早く君を抱きしめることができてれば
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帰る頃には辺りはだいぶ薄暗くなっていた
風丸君が片づけを急いでくれてよかったのかもしれない

もともと、時間を気にしないタイプの僕は少し遅刻ということが多々あった
それとは真逆の風丸君が居てくれると本当に助かる

でも、時間を気にしないのはどうしても治せないんだけどね


周りの建物からは明かりが灯って、数年前の日本を表しているようなジャパンエリアが明りによって綺麗に飾られた
そんな中僕と風丸君は隣り合わせで歩いていた

でも、僕にとってはそれがほんの少し足りない気がした
そこで僕は自分の右手を風丸君の左手とつなぐ

最初は驚いたようにしていた風丸君も少ししてから指をからませてきてくれた
それがすごくうれしくて自然と口元がゆるむ


「今日だけだからな///」

「どうせだれも見てないんだからv少しくらいいいでしょ?」


僕が首をかしげて訊ねるとう〜っと唸った後目線を逸らした
僕の方からでは横髪で顔を窺うことはできないけれど耳が真っ赤になってるの隠しきれてないよ?


「風丸君は可愛いなVv」

「かっ可愛くなんかない///そう言う吹雪だって!!」

「僕が可愛いのは前々からV」

「・・・プッ、自分で言っちゃ駄目だろ?」


風丸君は可愛いって言われるのがあんまり好きじゃないみたい
僕は結構嬉しいけどな

でも、風丸君に言われるのはあまり好きじゃなかったりする

もともと身長が低めの僕は風丸君より小さい
周りから見ればこの光景だってどこかの兄弟にしか見えていないと思う


「(大きくなりたいな・・・)」


そうすれば、君をちゃんと守ってあげれるのに

少し見上げると風丸君の頬に擦り傷があった
さっきの練習でこけた時についたのかな


「風丸君、ほっぺ怪我してる」

「えっ?どこ?」


さっきまで横髪で隠れて見えなかったけど風丸君が髪を耳にかけてくれたおかげでハッキリ見える
僕は少し背伸びして



ペロッ



「・・・///なっななななな、なにしてんだよ」

「しょうろくらよ?(消毒だよ?)」


風丸君の顔はこれでもかってくらい真っ赤になってる
傷口なめたくらいで大げさだな〜

僕がもう一度舌を近づけると風丸君は固く目をつぶって体を強張らせた


やっぱり、風丸君の方が可愛いや

「消毒完了Vv」と言って離れた頃には風丸君は口をパクパクさせて言葉が出ない状況になっていた



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