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□夏休みの甘い夜
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「なっなんでオレがそんなことしなきゃいけないんだよ///」

「え〜、だって・・・」

「風丸君、まえにゲームやって罰ゲームまだ受けてないでしょ?」


罰ゲーム・・・あっ!?
思い出した・・・いや、思い出したくもなかった。あんなこと

それは数週間も前の事
今のように部活が終わった後の話だ



オレが部室に戻ると他の奴らが何やら騒いでいたんだ


『また半田の負け〜ww』

『ちくしょーーー!!!次は絶対勝つ』

『何やってるんだ?お前ら』


半田の上からのぞいてみると床にはトランプが広がっていた
オレに気がついたのかみんなの視線がオレに集まった


『ああ、トランプだけど風丸もやる?』


あのハードな練習の後でよくそんなことやる元気があるな・・・とため息をついていると


『おもしろそうだな、みんなでやろうぜ!』


オレの後ろから飛びついてきたのが円堂だった
ずしりときた重さに疲労でよろよろの足で必死で踏ん張った
こいつもどこからその元気が来るのだろうか


『お前な〜』

『風丸もやろうぜ?』


そう言ってきた純粋(?)な瞳に負けて、オレは一緒にやることになった
その後からもどんどんその人数を増やしていった

勝ったり負けたり
負けた奴の絶叫が部室の中に響いた

それからそれなりにやってから


『そろそろ終わりにしようか』

『なら、次最後な』

『じゃあ、次負けた奴は罰ゲームで一回言うことを聞かなきゃいけないな』


その罰ゲームが事の発端だ

結果・・・


『風丸の負け〜!ってことで風丸は一つ言うこと聞かなきゃいけない刑ねVv』


もともと、こういうゲームが苦手なオレが負ける確率が高かった
最初っから断っておけばよかったのに・・・全てはあの円堂のせいだと今でも思ってる
いや、円堂に逆らえない自分のせい?自業自得なのか・・・


でも、そんなことすっかり忘れていた
いつからか嫌なことはすっぱり忘れようという癖がつき始めていたから


「まさか・・・」

「ハイっVvみなさんと相談した結果、風丸さんにこの浴衣で今夜のお祭りに出てもらうことになりました!!!」


どうせ拒否権なんてないんだろ!
遠くから聞こえてくる歓喜、仕組まれていたことなのか・・・あのゲームは計画だったのか
全てはこのためのものだったのか!!!

今すぐここから逃げたい、でも、どうせ逃げても後ろで捕まえるんだろ
後ろから無駄に気配を感じるからな!


「さあ、部活も終わったことですしVv」

「女の子の準備は時間がかかるからさっそく・・・」

「オレは男だ!!!」


その言葉もスルーされ、オレは二人のマネージャーによって音無の兄である鬼道の家に連れて行かれたのだった




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