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□だから見つめれない空色・海色
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≪だから気になる空色・海色≫の風丸視点Ver.
羨ましく思った
イナズマキャラバンに加入してそこまで日は過ぎていない筈なのに、あんなにチームになじんでいて
初めてと言っていた筈なのに、オレなんかよりずっとサッカーが上手で
なんで、こんなに不公平なのだろうか
オレにはあの人は眩しすぎて、見つめることができなかった・・・
≪だからみつめれない空色・海色≫
あの時のオレはただひたすら力を欲していた
強くなりたい、強くなればみんなと戦える
最初はそれだけだった・・・なのに、いつの間にか誰にも負けない力がほしくなっていった
エイリア学園にも・・・円堂たちにも
間違いにも気付かずに、オレはどんどん闇に堕ちていった
いくら謝っても謝りきれない
自分がしてしまった過ちはそんなことで償いきれないものだから
みんな許してくれた・・・のかな?
みんな笑ってる
でも、オレにはどうしても嘲笑っているように見えてしまう
冷たい視線がこの体を突き刺してくるような気がする
そう考えると、ここにいるだけでも息苦しくなる
特にオレが苦手なのは・・・
「なあ・・・」
「っ!?」
背後からかけられた声にオレは咄嗟に近くにいた円堂の後ろに隠れてしまった
目の前にいるのは桃色の髪に褐色の肌と少し派手な姿をしたオレ達より一つ年上の男『綱海』がこちらを見ていた
オレはこの人が苦手だ
嫌いなわけではない、それでも接点が無いからどう接していいのか分からない
この人はあの時のオレを毛嫌いしていた。きっと今でも・・・
「風丸〜、いつまでそうしてるつもりだよ?」
そう、オレがしがみついている円堂が訊ねてきた
だけどオレは何と言っていいのかわからず、黙ったまま円堂のユニフォームを握りしめた
すると円堂が諦めたようにため息をつきながらオレの手を掴んでその場を立ち去った
その間、オレは一度も綱海さんを見ることができなかった・・・
綱海さんに悪いってわかってる、それでも・・・
「なあ、風丸。なんでそんなに綱海のこと嫌うの?」
そう円堂に聞かれても、オレは応えることができなかった
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