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□悪魔の囁き
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弱い自分が嫌い
だから、強くなりたい
お前の隣に立っていられるくらい
だから、力が欲しかった
でも、力を手に入れれば
みんなが憎くなっていた
≪悪魔の囁き≫
雷門の中でオレは自分の足に自信があった
元陸上部だったため、みんなより足が速かった
みんなからもその足を期待されていた
その期待がオレも嬉しかった
だけど、
あれから自分がどれだけ小さいかわかったんだ
エイリア学園が攻めてきたとき
どんなに走ってもあいつらとの距離は離れていくばかり
FF≪フットボール・フロンティア≫でも、通用したこの速さ
なのに、どんなに走っても追いつけない
抜かれてしまう
それからかもしれない、オレは思うように走れなくなってきた
そして、
お前が居なくなった
いつも隣にいてくれた、支えてくれた
どんなにつらくてもお前が居てくれれば立っていることができた
なんでだよ、あんなに必殺技特訓したじゃないか
決まった時は笑ってくれた
なのに、なんでお前はそんなつらい顔をしてシュートを打つんだよ
なんで・・・なんで、豪炎寺がキャラバンから抜けなきゃいけないんだよ
支えてくれるものがいなくなった
オレの足は日に日に重くなっていった
どんなに頑張っても、これ以上に足が速くなる気がしない
追いついたと思った、やっと同等の速さで走れるようになった
なのに、次から次へと強い奴が出てきて
追いついたのに、また離れる
今までの豪炎寺とオレの距離みたいに
そして気づいたんだ・・・
ここまで何だって・・・
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