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□今なら素直に好きといえる
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只今、私は豪炎寺家にいます

練習が休みということで、私の彼氏、豪炎寺修也に家に来ないかと誘われたのは約2時間前

玄関を開けた瞬間


「お兄ちゃんお帰りなさい」


そう飛びついてきたのは、この男の妹さんの夕香ちゃん
ただいまと言って、夕香ちゃんの頭をなでる豪炎寺の顔は優しくて、あぁ、お兄ちゃんなんだなぁと思う
ただ、妹に溺愛してるのはいいが、練習に危害を加えるなよ?


すると、豪炎寺の後ろに立っている私に気づいたのか、夕香ちゃんがこちらを見る
私は笑って、こんにちはと言うと、夕香ちゃんが華が咲いたかのような笑顔を向けて


「いらっしゃい!風丸お姉ちゃん!!」


そう言って、豪炎寺にしたように私に飛びついてきた
すごく可愛い
兄妹がいないからよくわからないけど、きっと妹がいたらこんなの何だろうなぁ、と思う

私も夕香ちゃんの頭をなでてあげると、前の方から視線を感じる


「何?豪炎寺」

「いや、可愛いなと思って」

「夕香ちゃんが?」

「いや、お前らが。二人を写真に収めたい」

「なんか気持ち悪いよ」


そう言って少し軽蔑の眼を向けると、冗談だと返ってきた
どこまでが冗談なんだろうと思ったが、それ以上の追及はしないでおこう

そんな事をしていると、夕香ちゃんが私のスカートを引っ張る

あがってとせがんでいるのだろう
豪炎寺の方を見ると、上がれと招き入れられた
少し遠慮がちに部屋に上がらせてもらう

やっぱり、彼氏の家と言うのは少しドキドキする
前を歩いている豪炎寺がこちらを見た


「懐かれたな」


きっと夕香ちゃんの事を言っているのだろう
夕香ちゃんはさっきから私の手をずっと握っている


「嬉しいよ」


そう言って返せば、夕香ちゃんに返したように優しく笑ってくれた
いきなり、そんな風に笑わないでよ!
先程までのドキドキとは少し違うけど、私の心臓が高鳴っている


それから、豪炎寺の部屋に案内された
予想通り綺麗に片づけられている
円堂の部屋とは大違いだなと少し笑いが込み上げてきた

当の本人は何か飲み物を取ってくると、部屋から出て行った


「ねぇねぇ、お姉ちゃん!!」

「ん、なぁに?」


私の隣でちょこんと正座している夕香ちゃんがこちらの顔を覗き込みながら聞いてきた
本当に可愛いな、豪炎寺がシスコンになるのもわかる気がする


「お姉ちゃんってお兄ちゃんのお嫁さんなの??」

「へっ?ふぇえええええ!!?」


あれっ!?私、いつからそんな関係になってたんだ!!?
豪炎寺、この子に何吹きこんだんだ!!!


「ちっ違うよ!!結婚してないから!!!」

「えぇ〜、でも前、お兄ちゃんとチューしてたよ」


一体、何を見ているのこの子はぁぁあ!!!

キスの現場を見られたことと、お嫁さん発言に私の顔はきっと真っ赤になってたと思う
キラキラさせている純粋な目が今は直視できない


「お嫁さんじゃないのぉ?」

「えっと、私は・・・その・・・、彼女・・・です///」

「じゃあ、お兄ちゃんとお姉ちゃんはカップルなの??」

「うっうん、そうなるのか・・・な///」


だめだ、この年頃の女の子は
そんなに聞かないで///
内心すごく恥ずかしくてどうすればいいか分からなくなっている自分をどうすればいいのかわからなくなってきた


「お兄ちゃん、すごくかっこいいんだよ!!」


そう言って、夕香ちゃんは豪炎寺の自慢を始める
頭が良いこと、優しいこと、サッカーが上手いこと、料理が上手いこと
次から次へと出てくる


「夕香ちゃんはお兄ちゃんが大好きなんだね」

「うんっ!!自慢のお兄ちゃんだもん」


そっか、と言って私は夕香ちゃんの頭をなでる
なんか夕香ちゃんと気が合うかも
だって、夕香ちゃんの言った豪炎寺の自慢は私が自慢するところとほとんど同じだから
それだけ、妹の夕香ちゃんと同じくらいアイツの事を見てるってことになるのかな

なんか嬉しいや


「お姉ちゃんはお兄ちゃんの事好き?」


夕香ちゃんが少し不安そうに聞いてきた
どういった意味でそう聞いてきたのか分からないけど
私の答えはただ一つ


「・・・うん、好きだよ。大好き」


なんだか、心の底からすんなりと出てきた気がする
豪炎寺が好き、嘘はないし、今だったら素直にそう言える


「ほう、それはいいことを聞いたな」


頭の上から、その言葉が降ってきた
するとそこには、ジュースが入ったコップを乗せたお盆を持って立っている豪炎寺の姿
夕香ちゃんの「お兄ちゃん!」という言葉が遠く感じる


「いっいっいつから、そこにぃ!!!!」

「夕香の自慢話が始まったくらいからかな」


それって結構前じゃない!!!
その間、ずっと廊下で聞いてたのか!!!


「ということは、もしかして・・・」

「俺も好きだ、風丸」


そう言って、私の額に唇が触れた


「なぁぁぁあああっ///」


夕香ちゃんの前でなんてことを
私は唇が触れたところを手で押さえて訴えようとしたが、口が閉じたり開いたりするだけで、声が出なかった

すると、夕香ちゃんも近づいてきて


「夕香も!」


そう言って、夕香ちゃんが私の頬にキスを落とした

この兄妹は・・・///


大好きだよ!!馬鹿っ///











「夕香、風丸ちゃんみたいなお姉ちゃんが欲しい!!」

「だそうだ、風丸。嫁に来ないか」

「なっ///いきなり何を!!」

「夕香見たいな妹欲しくないか?」

「〜っ///そっその時まで私の事、好きでいてくれるなら・・・」

「ふっ、簡単なお願いだな」




END




なんとなく夕香ちゃんが書きたかった
豪兄妹に挟まれる風丸♀、可愛いじゃないですか
夕香ちゃんくらいの女の子は、何の躊躇いもなく恥ずかしいこと聞いてくると思います
まだ、まともな豪さんが書けたと思います
私の中の豪さんはもっとシスコン激しいです←

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