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□もしかして記憶喪失?
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ある日、いつものように練習している時だ


「風丸っ、そっちボールいったぞ!」

「おうっ!」


鬼道からパスされたボールを器用に受け取り、風丸はそのまま駆けだす
その俊足に追いつけるものはいない


「今日も調子良いな、風丸」

「あぁ、流石は風丸といったところだ」


そんな様子を豪炎寺と鬼道は温かい目で見つめていた
それをよそに風丸はゴールに向かって足を振りかざす
ボールは綺麗にゴールに突き刺さる

風丸がガッツポーズをしようとした時だ





風丸どういてぇぇぇぇええぇえええ!!!!

「へっ??」




風丸の背中に重いものが勢いよくぶつかってきた
視野の隅に見えたのは黄緑色の長い髪

しかし、そんなことを考えている暇もなく
勢いに任せて風丸とぶつかってきたものは重力に逆らわず倒れこんだ


「風丸!大丈夫か!!?」

「緑川、何してるの!?」

「ラッライトニングアクセルの練習をしてたらいきなり目の前に蒼いきしめんが」

「今すぐ風丸君に謝りなさい!!!その前に今すぐそこをどきなさい!」


そう言って風丸の上に乗っている緑川をヒロトが引っ張り上げる
謝ろうと緑川が振り返るが


「風丸・・・風丸?お〜い」


▽まるで屍のようだ。


「こらっ!不吉なこと言ったの誰だ!!!」

「気を失ってるな・・・保健室に連れていくか」

「1年共は練習を続けろ」

「じゃあ、オレも・・・」

緑川、もちろん一緒に行くよね(黒笑

「同行させていただきます・・・」


黒い笑みを浮かべるヒロトに緑川は何も言わずについて行った
そんな緑川を残された1年は哀れな目を向けながら練習を再開させるのであった



そんな一方、未だに目を覚まさない風丸の顔を吹雪が覗き込む


「綺麗におでこが赤くなってるね。地面に打ったのかな」


みんなの視線が一気に緑川に集まる


「すみません、本当に申し訳ありません。本当に反省しますから、その冷めた目やめて」

「しかし・・・」

「どうして緑川君、あえて風丸君にぶつかっていくのかなぁ〜。豪炎寺クンだったら『ざまぁwww』で終わるのに」

「吹雪、お前はどこまでも俺の事が嫌いなんだな」

「嫌いではないけど、少なくとも好きではないよ。クロスファイア組とか言われちゃってるけど僕の本命はハリケーン組だからね」

「遠回しに風丸だな」

「遠回さなくても直球で風丸君っていってるよね」

「お前ら、少しは風丸の心配をしろ」


そんな馬鹿な会話をつづけている間、鬼道は風丸のぶつけたおでこをなでていた
つまり、一人だけ違う世界でなごんでいたともいえる
そんな鬼道の真正面で円堂が風丸の頬をつついている


「静かだと思ったら、お前は何をやってるんだ」

「いや、やっぱり可愛いなぁ〜っと思って」

「否定はしないが、相手は怪我人だぞ」

「いつものことだし、こんな触れる時ないから」

「じゃあ、僕も」

「オレも」

「お前ら・・・」


怪我人だと言うことも気にせず、皆々風丸の頬に触りだす
ハッキリ言ってあやしい光景だ


「あっ、気持ちぃVv」

「やわらかいね」


そんなことをしていると


「んっぅ〜」

「あっ、起きる?」


今まで眠っていた風丸がゆっくり目を覚ます


「風丸、大丈夫か」

「・・・」

「風丸ぅ〜、本当にごめんなぁ〜」


むくりと、体を起こす風丸に緑川がしがみついて謝罪をする
しかし、風丸はどこかぼ〜っとしている


「かっ風丸?どうしたの??」

「・・・えぇっと・・・
























 貴方達誰ですか?」




「ハッ!?」

「風丸、冗談だよな」

「えっと・・・」

「まさか・・・記憶喪失?」

「「「「「えぇぇっぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ!!!!」」」」」


保健室で何人かの叫び声が響き渡った


「いちっぺ!!」

「いっいちっぺ??」

「俺だよ!円堂守だよ!!俺の事『守くん』って呼んでたじゃないか!!!忘れちゃったのかよ!?」

「待て円堂!!!」

「なんだってばよ」

「お前がいつ風丸に『守くん』なんて呼ばれていたんだ!!」

「ちょっ、マジやめてくんね。鬼道に『守くん』って呼ばれるとマジきもいんだけど」

「こっちだって言いたくないわ!!!!!」


「風丸君本当に忘れちゃったの!!?」


そう言って吹雪が風丸の肩をつかむ


「酷いよ風丸君。僕と【ピー――】とか【プーーーー】とか【バッキュー――ン】とかしておいて、あれは全部遊びだったの!!!」

「吹雪!!なんてことを言ってるんだ!!!」

「嘘だよね。えっ嘘でしょ?嘘だって言ってよ風丸ぅぅぅぅぅ!!!!!」

落ち着けお前ら!!!


緑川が涙目で風丸にしがみついている中
鬼道がゼエゼエと息を荒げながら、その場を制止させた
風丸に至っては口元をひきつらせている

そして、再び皆の視線は・・・


「マジで俺のせいなの!!?嘘でしょ!!えっえっ!!!」

「しかし・・・それしか考えられないし・・・」


びしっと吹雪が言った瞬間、緑川が本気で涙目になり風丸を見つめる


「おっ俺のせいなの??俺のせいなのか!??ごめんね風丸ぅぅぅ〜」


本気で泣きだした緑川を風丸があやす


「えっと・・・ごめんな緑川」


「「「「「・・・えっ!!?」」」」」


その場にいたものの声が揃う
記憶を失っている筈の風丸が緑川の名前を呼ぶ筈がない


「その・・・ゴメン。別にオレ、記憶喪失じゃないんだよ・・・その〜、・・・悪ふざけ?」


テヘッVvと首をかしげる
しかし、周りのものは肩を震わせながら


風丸ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!でも可愛いから許すぅぅぅぅぅぅぅぅぅ


保健室ではまた何人かの叫び声が響き渡った
ということで、お騒がせな風丸はその後、額に湿布を貼って練習に戻ったとさ
そして、その後吹雪は風丸に呼び出されて
戻ってきた吹雪の頭にはでかいたんこぶがあったそうだ











「ほらっ、しっかりしろよ守くん?」

「えっ、かっ風丸??」

「何言ってんだよ。『イチっぺ』だろ??(黒笑」

「ごっごめんなさい。変なこと言ってごめんなさい」



END



塾中に思いついたもの
円堂君の『守くん』と『イチっぺ』
吹雪君の『ピー』・『ぷ―』・『ばっきゅん』が言わせたかっただけ

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