Title

□この熱は誰の所為?
1ページ/1ページ

肌を冷たい風が突き刺すように通り抜ける


「寒・・・」


口から自然と出てしまう
今まで立っているだけで汗が噴き出てくるかのような暑さだったというのに、今では寒くて腕をさすらなければならない

だというのに女子の制服はスカート
男子より露出している足に冷たさが突き刺さる


「これだから女子は嫌なんだよ、男子がうらやましい」


そう言いながら風丸は一つため息をついた
女に生まれたことをこの時だけ本気で後悔する

別にスカートが嫌いなわけじゃない
状況が違う
どうせなら、女も制服をズボンにすべきなんだと女子らしくない思考を風丸は頭の隅で思った


「おはよっ、風丸君Vv」


声が聞こえてきたのと同時に風丸の腰に誰かが飛びついてきた
突然のことで「ひゃっ」、と可愛い声を出して肩を跳ねさせた


「ふっ吹雪!!!驚くじゃないか!!!」


風丸にしがみついている吹雪は風丸の髪に自分の顔を埋めた


「あっ!今は風丸ちゃんだったねVv」


サッカーをやっていない時は髪を下ろし、いつものように女の子として生活している
だか、サッカーをやることになれば髪を上に束ね、男の『風丸一郎太』としてフィールドに立つ

チームのみんなは自分の事を女とわかっている
だけど、それでは試合に出れない
だからこそ、男として偽っているのだ


「別にいいよ、『くん』でも。めんどくさいし。そんなことより・・・早く退いてくれないか?」


回りから見れば異様な光景だろう
女子より小さい男子が女子の腰に飛びつきしがみついている


「だって居心地が良いんだもんVvもうちょっと風丸君食べたら?細すぎてすぐ怪我しちゃいそう」

「セクハラ発言どうも」


風丸は再びため息をつく
吹雪がしがみついているせいでその場から動けない
ひとまず近くのベンチに座ろうと一瞬吹雪の腕を解いた
だが、座ったと思ったらすぐに腕が回る
どう言っても解いてはくれないようだ

風丸は諦めたように少し低い所にある吹雪の頭に自分の頭を乗せる
すぐ隣にいるので首をかしげるような形になるが


「・・・」

「?。ふぶ・・・きゃい///!?」


いきなり黙り込んだ吹雪に不思議に思い顔を覗こうとした瞬間、足に冷たい感触を覚えた
見てみれば吹雪の手が風丸の足に乗っていた


「どこ触ってるんだ!!!吹雪///」

「女の子ってすごいね、スカートで寒くないの?」

「そんなこと言ってないし!!!ってか、吹雪お前の手が冷たすぎるんだよ!!!セクハラ男!!」

話が全く噛みあっていない
しかも、吹雪の冷たい手がゆっくり風丸の白い肌をなでる
くすぐったいようで羞恥心で風丸は顔を朱に染める


「ちょっ、吹雪///ホントに離せって・・・///」

「風丸君反応が可愛いねVv」


片方の手が腰に添えられているせいで逃げることができない
吹雪の整った顔がすぐそばにあった
心拍数が上がっていくのが直にわかる、吹雪に聞かれてしまうのではないかと風丸は緊張気味に縮こまった


「これ貸してあげる」


そう言って首に巻いていたマフラーを風丸の首に巻きつける
今はもういない、弟の形見
今まで肌身離さずもっていた大切な物
ふっきれたと言っていても、やっぱり大切な物に変わらない


「これっ!吹雪の大切な物!!」

「風丸君だったらアツヤも許してくれるよVvそれでも、駄目なら僕が温めてあげるVv」


そう言って、吹雪は風丸の顔に掌を添えて唇を寄せる
風丸は瞬時に瞳を固く閉じる
それからすぐ、唇にやわらかいものが触れた


「風丸君可愛いVv」

「・・・///」


風丸はその場に立ち上がり猛ダッシュでその場から離れた


「寒くない!!女なめんな!!!だから結構!!!!」


そう早口で叫んで疾風DFのスピードで駆けて行った


「・・・確かに、必要なかったかな?」


吹雪は風丸の顔に添えていた手を頬にあてた


――温かい・・・触れているところから徐々に温もりが広がっていくのが・・・酷く愛しい


「大好きだよ。風丸君」






あんなに寒かったのに、まるで凍えてしまうように冷たかったのに

触れていた吹雪の手が、温かくなっていく

触れられていくところから熱を帯びていく
いつの間にか、体中が熱で火照っている


「どうしよう、絶対顔赤いよ///」


首に巻いてある白いマフラーにそっと手を添える


「吹雪の匂いがする・・・」


やわらかく、優しいにおい
そんでもって、ほんのり温もりが帯びている

首からそのぬくもりが伝わってくる


寒空の下
自分の体は温もりで満ちていた








どうしよう、マフラー返す時

なんて顔をすればいいんだろう

きっとまた吹雪の顔を見たら

今以上に顔が赤くなっちゃうよ///



END


この頃寒くて仕方が無いのでこの気持ちをぶつけるために描いてみました
女体化がみなさんに人気のようなので風丸ちゃんにしてみたよ☆
吹風だと、微裏に行き気味だから冷や汗
たぶん、裏が描ける人だと思うよ管理人は・・・

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ